民営化と市場原理の末路、そして希望

日本は天然資源が少ない国のため、昔から何かと知恵を振り絞って工夫して過去から現代まで経済を回してきた国だと思う。
一方、逆に天然資源が豊富な国、例えば石油が取れる国ならば、税金免除などの国民の義務が軽減されていたり、市民サービスが充実していたりガソリン価格が低く抑えられていたりと、国民にも恩恵が実際にある国もある。
だけど、天然資源が豊富だからと言って、必ずしも国民が幸福な暮らしをしている国ばかりとは限らないのが、悲しいけど厳しい現実だよな。
中南米の内陸地の国ボリビアがそうだ。
ガスや鉱物資源などの天然資源が豊富な国なのだけど、今までの歴史では決して報われてこなかった。
それらの天然資源の採掘などを行なう企業は、その昔国営企業で運営されていたが、汚職や怠慢、不正などの横行で国内の経済は破綻してしまい、IMFの管理下に入ったそうだ。
そして、IMFの指導の下、債権を減らすために、外資系企業による資源の輸出を行なった。しかし、ボリビアへの還元がほとんどなく搾取に近い状態。
政府は外資系企業との癒着を強め、採掘権のために地元住民の半強制退去や詐欺に近い契約を黙認している。
それではいけないと、外資系とはいえ、地元に還元策として職業訓練や病院設立などを作る会社が現れ、地元住民とCEO自らが力を合わせていた。しかし、言いがかりにも思える麻薬製造助力の容疑でCEOは逮捕。他の外資系からの圧力で政府が不当に動いたようにも思える。もう誰も救いようがないのか?と思ったところに、先住民出身であり、一部の裕福な層でなく貧しい国民に身を向けている大統領が誕生した。
日本には、反米的な南米の政権がまた一つ生まれたと軽く報じられただけだけど、現地で起こっていた事を考えると凄いことだと思う。反米というのは、アメリカの意向に沿わなかったり利権の阻害になることだ、決して形式的な悪ではないんだよな。
前途多難だろうけど、この新しい大統領がどのように国の手綱を操っていくのか気にしていたい。