:最近の戦利品

生物と無生物のあいだ (講談社現代新書)

生物と無生物のあいだ (講談社現代新書)

長年気になっていたことがわかって、結構面白かった。動的平衡か、なるほどな。生物の体は絶えず分子が入れ替わっている、いわゆるジグソーパズルのようなものだそうだ。
それから、ポスドクは海外に出ろとも読み取れた、アメリカ東海岸の大学での研究の日々も面白かった。
あと、この方の文章は変わっていて、風景などの描写が緻密で繊細で感受性が高そうなのに、一方文章の流れは淡々としているのでどこが盛り上がりなのかよくわからん(笑) 生物と無生物の分水嶺がこの本の山のはずなのに、なんかあっさりしていたなぁ;-)

一度も植民地になったことがない日本 (講談社+α新書)

一度も植民地になったことがない日本 (講談社+α新書)

タイトルはいかにも刺激的だけど、旦那がスウェーデン人とか欧州に長年住んで体験した価値観や文化の違いについてまとめた女性の本。欧州のものの考え方とかわかって面白そうだなと買ったんだけど、残念ながら結構知っていた内容でちょっとつまならなかった。具体的な事例は面白いのだけど、そこからエッセンスを抜き出すこともなくブログのようだった。まったく欧州文化を知らないとか、日本歴史を知らない人ならば十分に楽しめるかな。

日本には老舗が多いって主張はわかるんだけど、歴史的経緯を差っぴいても、世界でも稀だと声高々にあまり言うものではないとも思えた。それに残念ながら、統計的にも偏っていて不十分にも思えたな。
それはともかく、日本国内の老舗と言われる企業(作者定義では90年以上)のいろいろなインタビューや、解釈が面白かったな。出てくる企業も19 社と、かなり多い。産業構造の変化や閉山などと辛酸を舐めつつも、越えるために業態が変化したり加わった老舗ばかりであり、一方で当初の仕事もコアとして脈々とやっているというのが、共通点に読み取れたなぁ。