鉄のほそ道 (1) (KADOKAWA CHARGE COMICS 18-1)
- 作者: はしもとみつお
- 出版社/メーカー: 角川グループパブリッシング
- 発売日: 2008/04/05
- メディア: コミック
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この作品も購入するつもりは最初なかったけれど、帯に記載されていた、収録作品の地方私鉄の一覧を見てびっくりした。あぁ、地元の第三セクター、平成筑豊鉄道もあるじゃないか!!! 私は地元福岡を何より愛していて、ふるさと納税が始まれば実家のある町に納めたいと思っているほどだから、地元を取り上げた作品は何より好むんです(^-^) というわけで購入(^^)
収録されている鉄道は、茨城:鹿島鉄道、千葉:銚子電気鉄道、静岡:伊豆箱根鉄道、熊本:南阿蘇鉄道、静岡:岳南鉄道、福岡:平成筑豊鉄道、香川:高松琴平電気鉄道、岐阜:名古屋鉄道岐阜市内線/美濃町線、静岡:大井川鐵道井川線となっています。
主人公は、週刊誌のローカル線特集の取材ということで、ライターの大沢大吾と、雑誌社記者 山川珠美の二人になります。男女の二人のコンビというと美味しんぼの二人を思い浮かべるのですが、立ち位置は逆に近いですね(笑) 鉄分の多い大沢が仕事熱心で(まぁ趣味の延長ですしw)、鉄にあまり理解なく食い気が多くて空腹だと機嫌の悪い珠美のやり取りが主軸に進んでいきます(笑) 実際、鉄道に関しての説明は大沢だし、その沿線の名物は珠美がいることで紹介しやすいというのも作者は狙っているのでしょうね(^^) ちょっと珠美の食い気の張り過ぎはどうか?と思うことはなきにしもあらずですが:-)
そして、この作品の特色は、単純に各鉄道のマニア心をくすぐる部分だけを取り上げた内容ではなくて、並行してその鉄道にまつわる人間ドラマを走らせているのが面白いですね。主人公の二人が各鉄道で出会う人との交流が作品にほんわりとした味わいを与えてくれています(^-^) この漫画は実写ドラマ化もやりやすい気もしますね。電車男のように一般人が知らないというマニア世界を垣間見せるものではなく、ローカル線をメインにして各地の紹介を兼ねた人間ドラマという方向性で十分いけると思います(^-^b
あと、個人的に嬉しかったのは、“平筑”の話でかなり風景が出ていて、実際に福岡筑豊で何気に見かける山野や鉄道の風景なんですよね! 日本の地方の風景なんてどこでも一緒だろ?と思う人もいるでしょうが、風景の描き込み多くて写実的に描かれていて、なだらかな山の稜線や、木と植物の植生やその割合がまさに故郷の風景でした。作者と編集者どちらとも鉄分の多い方で、現地で綿密に取材を重ねているそうで、各地の特有の風景も写真を参考に書き上げているようですね。うん、故郷を思い出させてくれる良い作品に出会えてよかったです(^0^)