:蜻蛉迷宮(カゲロウ†メイキュウ)第一話@西宮

■舞台を訪れる際の注意



舞台になった場所に行き、登場人物の言動に思いを馳せるのが醍醐味だと思います(^-^) でも、その場所は普通の生活地域になりますので、公序良俗に反しないように行動はくれぐれも慎んで、常識を持って楽しんでください。 特に、その場所で騒がない、壊さない、汚さないは守りましょう(^o^) よろしくお願いいたしますm(__)m
当ブログでの舞台探訪のポリシーはこちらになります。


※2008年6月18日追記、追加写真あり



谷川流さんの原作で新たに始まった新作『蜻蛉迷宮』の舞台の紹介です。
これまでも、『涼宮ハルヒの憂鬱』と『学校を出よう! 』などと西宮を舞台とした作品を出しており、今回の新作においても引き続き西宮を舞台にしているようで、愛されている西宮を舞台にして、これからの展開が楽しみな作品になっています。
作品内容の詳細は実際に購入していただいて確認して頂くとして(^^)、簡単にメイン登場人物を簡単に紹介します。深い謎を隠し持っている旧家に戻ってきた主人公 櫛木宗次(くしき そうじ)を中心に、ポニテの可愛いクラスメイト笹井由香子(ささい ゆかこ)と共に学園で起こっている事件を追うストーリーになりそうです。第一話に登場した宗次の肉親には、長女の櫛木曜子(くしき ようこ)、次女の櫛木波留巳(くしき はるみ)、三女の荻原咲(おぎわら さき)とそれぞれ個性的で今後の話の核心にも絡んできそうな予感がします。特に、ひと癖ふた癖のありそうな妹 曜子は目が離せませんね(^-^)
今のところ、第一話では西宮駅の近辺を中心に舞台が描かれていますが、これからの話の展開によって西宮の他の場所も出てくるかと思うと楽しみですね(^-^b



そして、連載は電撃文庫MAGAZINE VOL.2から始まっており、この作品を手がける原作、キャラメーキング、作画、プランニングは豪華な布陣と思います。ウェブではまだあまり情報がなかったため、本誌を購入して作品内容をじっくり拝見しました(^^)


今回の舞台紹介は、西宮を中心に舞台巡りに活動されている、きーぼー(id:keyboar)さん(きーぼー堂http://d.hatena.ne.jp/keyboar/)より、写真と文章の転載許可を頂きました。地元の方ならではの土地勘がありフィールドワークのフットワークの良さ、そして電車の知識を活かした解説は秀逸です(^-^) また、きーぼーさんは
また、ぎをらむさん(id:giolum)の調査と執筆文も参考にさせて頂きました、ありがとうございます。



こちらより転載になります。





6月10日発売の電撃文庫MAGAZINE VOL.2から連載が開始された、原作:谷川流さん、キャラクターメイキング:武田日向さん、作画:菜住小羽さんの「蜻蛉迷宮」第一話の舞台検証です。
第二話はこちらになります。
■[史跡]:蜻蛉迷宮(カゲロウ†メイキュウ)第二話@西宮


西宮北口駅のホーム、電車の種類などについては、ぎをらむ(id:giolum)さんの
■後天性無気力症候群:【「蜻蛉迷宮」第1話ロケ地】
http://d.hatena.ne.jp/giolum/20080612
を参考にしました。こちらも合わせてご覧下さい。

●1ページ1コマ目

JR西宮駅の駅舎。駅の北口も南口も同じ構造の駅舎がありますが、写真は南口です。



2007年3月18日に改称されるまでは駅名は「西ノ宮」でした。下の写真は改称前日の撮影。

●1ページ2コマ目



阪急西宮北口駅改札外の西側通路から神戸線2(右)・3(左)番ホームを見下ろしたところ。特急も回送も西宮北口駅で停車するので、実際は西宮北口駅の2番線を通過する電車は存在しません。駅舎のモデルのJR西宮駅と、このホームのモデルの阪急西宮北口駅は約1キロ離れた場所にあります。
※ 阪急では「番線」ではなく「号線」の呼称が使われていますが、ここでは作中に合わせて「番線」に統一して表記します。

●1ページ3コマ目



西宮北口駅1番ホームから三宮方面降車専用ホームを見たところ。もちろん降車専用ホームなのでこんな光景は見られません。

引いたところ。後のコマで登場するホームとは様子が違っています。
この2件については下記を参考にしました。

■参考:後天性無気力症候群
【「蜻蛉迷宮」冒頭の駅のホームは西宮北口駅
http://d.hatena.ne.jp/giolum/20080602#1212333348

●1ページ4コマ目



進入して来るのは阪急電車なのでモデルは西宮北口駅かと思いきや、実はJR西宮駅2番ホームです。写真の電車は各駅停車のJR207系。奥に阪急今津(南)線の鉄橋が見えます。「SOS」の文字の非常停止ボタン、左のホームの停止位置目標標識も実物通り描かれています(クリックすると拡大表示)。ホームの中ほどからズームで撮らないとこの構図にはなりません。
JR西宮駅は1、4番ホームが通過専用なので、ここも2番線を通過する列車は存在しません。

●2ページ1コマ目


場所は未特定。

1〜2ページに登場する電車は阪急6000系ワンマン車です。貫通扉の窓の上にワイパーが付いているのが特徴。甲陽線、今津(南)線で運行されています。西宮北口駅神戸線ホームでは見られないはずの車両なので、京アニ涼宮ハルヒの憂鬱の取材時の資料を使っているのかも知れません。写真は2006年6月19日、放映順13話「涼宮ハルヒの憂鬱 V」に登場する甲陽線水道路踏切で撮影。

■参考:後天性無気力症候群
【「蜻蛉迷宮」正式告知、そして舞台はまたも……】
http://d.hatena.ne.jp/giolum/20080411#1207844375
■参考:神奈井総社@rNote
涼宮ハルヒの憂鬱舞台の検証 その12】
http://kanai.dw.land.to/diary/2006-06-20a.htm

●2ページ6コマ目



三宮方面降車ホーム、1ページ3コマ目で少年が立っていた位置の少し右。ホームの案内板と連絡通路の柱が見えます。

●3ページ3コマ目



6番ホーム上にキヨスクがあるJRの駅、という手がかりを元にまずJR大阪駅に行ってみたら当たりでした。線路を隔てた4番ホームから見た、三ノ宮方面行き6番ホームの321系電車。同じホーム上からでは引きが足りません。

引くとこんな感じ。右上はヨドバシカメラ、左上は大阪駅新北ビル建設工事現場 のクレーン。

大阪駅6番ホームに停車中のJR321系


6番ホームのキヨスクをアップで。(17日追加写真)

●3ページ6コマ目



阪急電車の車端部。外観はJR、車内は阪急とちぐはぐな事になっています。
阪急はどれも似たような内装ですが、窓の大きさなどで9000系、天井の冷房吹き出し口の形状で8000系、消火器・禁煙の表示の位置で3000系、網棚の形などで5000系(リニューアル車)が除外され、作中の車輛の内装に該当するのは6000系か7000系です。但し7000系の一部には8000系のように連続化した冷房吹き出し口を持つ車輛があります。

作中の貫通扉の両サイドに優先座席のステッカーが描写されています。阪急電鉄は1999年4月に優先座席を廃止し「全席優先座席」を導入、2007年10月29日に優先座席が復活したという経緯があるので取材はそれ以降に行われたようです。

貫通扉の窓に「携帯電話電源オフ車両」のステッカーがある事から神戸寄りの先頭車と分かります。もし1〜2ページの外観と同じように6000系ワンマン車がモデルなら、甲陽線では夙川寄りの6100代の先頭車となります。消火器の位置から見ても間違いありません。
涼宮ハルヒの憂鬱放映9話「サムデイインザレイン」でもキョンが商店街へストーブを取りに行く場面で阪急甲陽線6000系の車内が登場しましたが、それも夙川寄り端部から甲陽園方面を見たアングルでした。

写真は甲陽線でも使用される、今津(南)線の6000系ワンマン車の西宮北口寄り先頭車(甲陽線では夙川寄り、先に掲載した甲陽線の写真と同一車輛)で撮影しました。 この位置から車輛の左側に移って撮ればハルヒの時と同じアングルになります。


■参考:阪急電鉄 車両案内(携帯電話の終日電源オフ車両、優先座席について)
http://rail.hankyu.co.jp/sharyo/index.html
■参考:神奈井総社@rNote
涼宮ハルヒの憂鬱舞台の検証 その11】
http://kanai.dw.land.to/diary/2006-05-30a.htm


●4ページ1コマ目



阪急西宮北口駅2階コンコースの「カリヨンの鐘」。“学校を出よう!”2巻で神田健一郎と星名サナエが待ち合わせに使った場所のモデルの候補地です。

■参考:後天性無気力症候群
【「学校を出よう!2」についての仮説その4 そして景色は変わって行く】
http://d.hatena.ne.jp/giolum/20070121

●4ページ2コマ目



JR西宮駅南口前。宗次は大阪駅6番ホームからJR神戸線に乗って西宮駅に到着したようです。左にあるのは終戦50周年記念の平和モニュメント「平和の交響」で、平和を願う「手を合わせ(合掌)、手をつなぐ」形をモチーフにしているそうです。
■参考:西宮市HP 平和非核都市
http://www.nishi.or.jp/contents/00002483000200005.html

●4ページ3コマ目



同じく南口前のフレンテ西宮西館と東館の渡り廊下の階段。西宮駅とはつながっていません。写真では見えませんが実際に階段の裏に宝くじ売り場があります。

阪急とJRが混ざっていて場所の特定が難しくなっています。西宮北口駅の外側を登場させないのはハルヒとの差別化を図っているためかも?

●37ページ1コマ目(17日追加)



宗次と由香子が入った「SOSバーガー」のモデルはモスバーガーJR西宮店でした。ぎをらむさん情報です。MOS→SOSとは上手い(笑)

由香子は「とりあえず駅前まで行こ!」と言って宗次をここに連れてきていますが、モスバーガーJR西宮店は西宮駅前から200mほど離れています。もしかするとSOS団ネタを使いたいがために駅前すぐのマクドナルド(4ページ2コマ目参照)ではなくて遠いモスバーガーの設定にしたのかも?

引いたところ。右の国道2号線を200mほど奥の東方向へ行き左に曲がると西宮駅があります。


写真は撮れませんでしたが、店内には宗次と由香子が座った席も実在します。


取材日:2008年 6月11、13、14日
追加分取材日:6月16日
執筆:きーぼー(keyboar)





以上、ここまで転載になります。

作品が進展して新たな場所が出てきたときには、レポを期待したいですね(^^)
そして、今回のレポートに出てきた作品群になります。両作品とも西宮を舞台とした作品です。説明は無用かもしれませんが念のため(^-^)


■“涼宮ハルヒシリーズ” (著:谷川流、イラスト:いとうのいぢ)
涼宮ハルヒの憂鬱 (角川スニーカー文庫)涼宮ハルヒの溜息 (角川スニーカー文庫)涼宮ハルヒの退屈 (角川スニーカー文庫)涼宮ハルヒの消失 (角川スニーカー文庫)涼宮ハルヒの暴走 (角川スニーカー文庫)
涼宮ハルヒの動揺 (角川スニーカー文庫)涼宮ハルヒの陰謀 (角川スニーカー文庫)涼宮ハルヒの憤慨 (角川スニーカー文庫)涼宮ハルヒの分裂 (角川スニーカー文庫)


■“学校を出よう!” (著:谷川流、イラスト:蒼魚真青)
学校を出よう!―Escape from The School (電撃文庫)学校を出よう!〈2〉I‐My‐Me (電撃文庫)学校を出よう!〈3〉The Laughing Bootleg (電撃文庫)学校を出よう!〈4〉Final Destination (電撃文庫)学校を出よう!〈5〉NOT DEAD OR NOT ALIVE (電撃文庫)学校を出よう! (6) VAMPIRE SYNDROME 電撃文庫 (0996)


また、電撃文庫MAGAZINEは初めて購入したのですが、付録にラノベが付いているなんて驚きました(^^) 左がラノベで、右がメモ帳の付録になります。せっかくなので付録の写真も掲載しておきます。興味がありましたら、電撃文庫MAGAZINEを手に取ってみてください(^^)




あと、ここからは余談になります(^-^)
“西宮”の名の由来は、今でも市内にある廣田神社と神社群が京都から見て、西の方向にあったため、そのように呼称されるようになったそうです。その中核になっている廣田神社奈良時代以前から存在していた神社だそうなので、本当に歴史のある街なのですね〜
そして、西宮は、ハルヒにて脚光を浴びて作品の舞台として一層盛り上がってきていますね(^^) ハルヒ以前でも小説、映画など様々な作品の舞台にもなっています。まず、高校野球の作品ならば、地方予選を勝ち抜いて、必ずクライマックスで出てくる甲子園がまずあげられます。また、小説ならば、“火垂るの墓”で夙川公園などが出てきたり、“白い巨塔”の財前教授宅が夙川にある設定だったりします(^^)
それから、西宮の市街地だけでなく山間部でも有名な舞台があります。黒澤明監督の“隠し砦の三悪人”(1958年製作、なお2008年リメイク版ではないです)では、六甲山地蓬莱峡がロケ地に使われたそうですよ。一度六甲山地を縦走して登山したことありますが、蓬莱峡はなかなか険しくて落ちたらただではすまない岩山です。この場所で撮影された“隠し砦の三悪人”を観たジョージ・ルーカス監督は、後年に“スターウォーズ”を作るアイディアを得たと語っているそうです。世界的な大作のルーツの一つが西宮にあった!と言っても過言ではないと思いますよ(^-^)
火垂(ほた)るの墓 [DVD]白い巨塔 (1965年)
隠し砦の三悪人<普及版> [DVD]スター・ウォーズ トリロジー リミテッド・エディション (初回限定生産) [DVD]



■写真提供&転載文:きーぼーさん(id:keyboar)/きーぼー堂 http://d.hatena.ne.jp/keyboar/
■上記以外文章:Minkyこと、このブログの中の人