図書館戦争「状況○六 図書隊ハ発砲セズ」@東京都日野市

■舞台を訪れる際の注意



舞台になった場所に行き、登場人物の言動に思いを馳せるのが醍醐味だと思います(^-^) でも、その場所は普通の生活地域になりますので、公序良俗に反しないように行動はくれぐれも慎んで、常識を持って楽しんでください。 特に、その場所で騒がない、壊さない、汚さないは守りましょう(^o^) よろしくお願いいたしますm(__)m
当ブログでの舞台探訪のポリシーはこちらになります。




※2008年6月28日追記、追加写真あり


図書館戦争図書館戦争 第一巻 [DVD]

1.作品紹介

元号が正化に変わる頃、社会に悪影響を与える表現を取り締まるため、“メディア良化法”が制定された。図書館は、メディア良化隊の激しい検閲から表現の自由を守るため武装化。両者の戦闘は激化の一途を辿った。
そして、正化31年。その戦いに飛び込んだ、やたらと熱くて足の速い少女がいた。
【アニメ版OP 冒頭台詞より引用】

この作品は、“平成”の日本とは、異なる歴史を歩んだ“正化”の日本の近未来を舞台にした作品です。
まず、この“正化”の日本では、作品の根幹の一つを成す法律である、“メディア良化法”が法制化されました。この法律は、公序良俗を乱す内容の人権侵害の表現を取り締まるという内容であり、その法を根拠に“メディア良化委員会”および実行組織“良化特務機関”が成立しました。一方、それらの団体による一方的な過激な検閲活動に、反旗を翻した図書館は、“図書館法”を根拠にして武装し、“図書隊”という防衛組織を作り上げ、書物を守り図書館の自由のために戦いを行っています。
そして、正化31年(西暦2019年)、主人公の笠原 郁(かさはら いく)は、女性ながらにもかかわらず、図書隊の中でも精鋭の“図書特殊部隊”に抜擢され、彼女の視点から見た、図書隊と良化機関との戦いが描かれた作品になります。


アニメ版図書館戦争では、関東の様々な場所がでてきます。今回紹介するのは、アニメ版の第六話「状況○六 図書隊ハ発砲セズ」において、郁と、彼女の上官の小牧 幹久(堂上班 副班長)の二人の逃避行の舞台になった、東京都日野市になります。
私はまだ訪れていないのですが、関東在住のMiyaさんより写真の提供を頂けたので、第六話の舞台を紹介したいと思います。Miyaさん、写真提供やアドバイスなど、ありがとうございます。
個人的には第六話は、この作品に根本に関わる様々な隠喩が隠されていて、結構好きな話です。その隠喩などについては、少しずつ紹介しつつ、四章目にまとめてみました。
もちろん、『熱血バカ』と称されている(笑)、郁の表現豊かな奮闘ぶりは、見ていて飽きませんね〜、第五話の親バレの話は、皆さんもどういう形かで経験しているのではないでしょうか(笑)

2.第六話の舞台、日野市について

まず、第六話では、“メディア良化法”成立と共に、市場から即時根絶されてしまった伝説の本という通称“予言書”を巡る攻防になります。
その“予言書”を山梨の古本屋が秘蔵していたのですが、万民の目に触れる図書館に寄贈したいと申し入れがあり、その本を図書隊が受け取ったところから今回の話は始まっています。
その山梨から関東図書基地がある武蔵野第一図書館への帰途において、その伝説の本の撲滅を第一義に掲げる大部隊のメディア良化隊に襲撃され、本を守りつつ日野市内に逃避する話です。この作品では普段、“メディア良化法”と“図書館法”の制約もあり、基本的に図書館周辺のみの戦闘の攻防が描かれているため、このように市街地内を双方が行動すると言うのは珍しい話です。

山梨からの帰途は、高速道路の中央道を使用していて、周囲の車の動きに不審を抱いた小牧の判断で、手前のICで降りることにしましたが、メディア良化隊の挟み撃ちの襲撃されて、郁と小牧の二人で車を捨て徒歩にて逃避することになりました。
次第に追い詰められた二人は、JRの日野操車場に逃げ込むことを思いつきます。一方、メディア良化隊も探索の網を絞っていき、探していない場所である、日野操車場に考えが至ります。


まず最初に、市街地を捜索していたメディア良化隊の作戦指揮所が設置されていた場所になります。
作中の背景からちらほら見える風景では、工事に使うような資材が散在しているようでした。実際に行ってみたところ、高架下の資材置き場だったそうです。場所は日野駅から東側の中央自動車道の高架下、神明4交差点の近くになります。作品中では八王子ICで郁たちが逃げたため、メディア良化隊は、おそらく東へと逃亡を図る二人をこの辺りで捕まえるために捜査線を敷き、八王子ICの方から東へと隊員たちに追わせていたのだと推測できます。しかし、一向に捕捉出来ず、日野駅の西側の大阪上という場所でも見つからなかったのですが、地図上で日野操車場を発見して、作戦指揮所自体を日野操車場内に移設します。



このように高架下になります。


この資材置き場に、このような箱があったそうです、近くで何か発掘が行われているのでしょうか?
注意:天地が逆になっています;-)

こちらは少し場所が異なりますが、上記の場所とも似ています。


一方、図書隊サイドでは、なんとか携帯電話にて関東図書基地に連絡が付き、急行した図書隊の応援部隊の車列が通る場所になります。道路の上は、多摩モノレールになり、駅は万願寺駅になります。図書隊は、立川通り沿いに走ってきて、万願寺駅で右折して日野バイパスに入ったようです。甲州街道駅付近を右折するなどと、もう少し早く日野駅付近に行く道はあるのですが、おそらくメディア良化隊に発見されるのを極力避けるために、遠回りして迂回したように推測できます。


そして、もう少し車が進み、この“神明坂下”のバス停の横を通り過ぎて行きます。



続いて、以下が日野操車場の写真になります。確かに始発前ならば、停車している列車も多く、絶好の隠れ場になると思います。
日野操車場には、電車を停車しておけるスペースが二つに分かれていて、日野駅側と豊田駅側が存在しています。Miyaさんによると、作中出てきた地図や雰囲気を考えると日野駅側のように思えますが、広さを考えると、豊田駅側だと思えるそうです。検証してみましょう。


まず、メディア良化隊が見ていた地図が次になります。上部にある青い道路は、中央自動車道なのは間違いありません。実際の地図でも、同様に青い路線の表示で中央自動車道が見えます。地図では操車場内の路線がかなり複数走っていますが、実際はどうでしょうか?

日野駅側の日野操車場付近マップ


加えて、作中ではこのように線路が隙間なく複数並行して走っているのと、メディア良化隊の指揮所も置かれているように、結構幅広いです。このシーンは、ほぼ投降まがいに二人が姿を現すところになります、もちろん陽動のための行動です:-)


では、場所の写真になります。作中での地図付近の日野駅側の日野操車場での写真を頂きました。
その操車場の真ん中辺りに存在する陸橋からの風景です。


もう少し近寄ってみます、先ほどの位置から北上しています。


逆方向から撮影してみた写真になります。


あまり広くないのと、中央部に境目があり雑草が生い茂っている雰囲気が作中とは大きく違います。



写真内の上部に見えた中央自動車道が、風景の奥の方に見えます。


一方、豊田駅側の日野操車場になります。
まず、この付近のマップを拡大してみると、作中の地図とほぼ同じような複数の線路が走っているイメージとほぼ同じように見えます。次のグーグルマップの“+”ボタンを数回押して頂けると、より分かりやすく比較が出来ます(^^) 縮尺サイズ固定で設定できないので、すみません(^^;


豊田駅側の日野操車場付近マップ


※注意:この写真は敷地内で撮影したものではなく、敷地外の柵から撮影したことをご理解ください。


作中の広さを思い出すと、確かにこちらの風景の方が近いように思えますね。




郁達が隠れていた上記の日野操車場なのですが、今回は貨物車が停車してなかったため、撮影者のMiyaさんは残念がったそうですw
そのため、この近所で撮影した貨物車になります。


まとめますと、作中に出てきた日野操車場の位置は、中央自動車道の位置などを考えると日野駅側になります。加えて、郁が隠れていた場所のモデルは豊田駅側を参考にしたように考えられます。実際に写真を撮影したMiyaさんからもこのような推測を頂き、私も地図で位置関係を調べて見た結果により、結論に至りました。





最後に、図書隊は見事に作戦勝ちで、メディア良化隊を出し抜き、凱旋する車が通った場所になります。この道路は日野バイパスです。行きに神明坂下のバス停を通過した場所の近くになります。



もう少し引いて見たアングルになります。



3.日野市立図書館

日野市が主な舞台になった第六話では出てこないのですが、第三話で主に出てくる、“日野の悪夢”という作中の大事件があります。これは日野市立中央図書館を舞台にして起こった事件になります。
正化11年(1999年)に、メディア良化法に同調する過激な政治結社が集団で火器を用い、日野市立図書館を襲撃したそうです。その際に日野市立図書館長 稲嶺は重症を負い、稲嶺の妻を含めて多くの死者を出した大惨事になってしまいました。この事件後、稲峰が図書館を防衛する組織 図書隊の設立を行うことになり、“図書館戦争”の中の歴史でも重大な起点として扱われています。


作中の燃え上がっている日野図書館です。そばに川が流れているのがわかります。確かに、地図上での図書館と浅川の位置関係も同様ですね。

■日野市図書館付近マップ


こちらは、日野市立中央図書館になります。第三話では襲撃され、一面火の海になっている悲劇の場所ですよね…、近代日本であのようなことが起きていいのか、絶句する事件です。
でも、もちろんこちらの現実世界では平穏な図書館になります(^-^)



図書館の自由に関する宣言』が入り口に貼っていたのなら、図書館戦争のファンにとって最高ですね:-)


日野市立図書館の概要文がとても良かったので、引用させて頂きました。図書館戦争にて、郁たちが守ろうとしている本の自由の理由をわかりやすく明確に書かれていると思います。このレポを書くにあたって私も先日、住んでいる市内の図書館を訪ねてみました。老若男女の幅広い市民の皆さんが書物に知識や憩いを求めるスペースを見て、あぁこれなんだなと納得しました。最近はネットで様々な情報を得ることが出来ますが、ネット以前の古い知識や幅広い知識の蓄積という観点や、本を読むという空間を共有する感触は変えがたいものがありますね。

日野市立図書館は日野市民の図書館です。日野市民の図書その他の資料に対する要求を公的に保障する機関が市立図書館です。市民一人一人が十冊・二十冊の図書をバラバラに買う代わりに、それを何万冊という蔵書をもつ図書館にまとめ、より効率のよい、より深いサービスを受けられるようにしたものが市立図書館なのです。健康保険制度がからだの健康における社会保障であるように、精神や教養の面での社会保障が図書館であると言えます。また市立図書館は市民の知的要求を資料の提供という形で支えている、自由で民主的な社会に欠くことのできない機関であります。市民がそれぞれ自らを高め、自由な思考と判断ができるようにならなければ、本当の民主的な社会は実現しません。市民がこのような自己形成への道を歩むための資料を提供し、判断の材料を調えるのが図書館です。そうしてこれが市民の手による市政の基礎となるものです。図書館はその働きによって、今までに本に親しまなかった人を読書へ誘い、新しい未知の世界への扉を開けることができます。これは図書館が「読め読め運動」をして読書のおしうりをすることではありません。図書館が市民の身近に、豊富な魅力のある図書を揃えて、市民と密着した仕事をするならば、それだけで読書は野火のように広がります。人間は本質的に知識を求めるものだからです。特に将来の日本を背負う児童・青少年に読書の習慣をつけ、人間形成の基礎を培うことは、図書館の最も重要な働きです。
【日野市立図書館、概要文:https://www.lib.city.hino.tokyo.jp/hnolib_doc200801/library/outline.htmより全文引用】

個人的に面白かったのは、特集コーナーでの、“図書館戦争”の紹介です。ちゃんと図書館員の方も理解されて、紹介されているのが面白いですね(^-^b > “…日野市立中央図書館、襲われます。”

有川 浩 徒花 スクモ/イラスト 図書館戦争 メディアワークス 2006.3
公序良俗を乱し、人権侵害にあたる表現を取り締まる法律「メディア良化法」が成立した、本が狩られる時代…つまり検閲がまかり通る時代。対抗できるのは全ての検閲への反対を掲げた「図書館法」を持つ図書館のみ。そして、「図書館の自由が侵されるとき、われわれは団結して、あくまで自由を守る」。図書館が武装した〈図書隊〉を組織するきっかけは「日野の悲劇」だった…日野市立中央図書館、襲われます。
【日野市立図書館:“図書館ブームがやってきた!・・・ような気がする”: https://www.lib.city.hino.tokyo.jp/hnolib_doc200801/guide/library-boom.htm より引用】


また、日野市立図書館には、移動図書館もあるそうです。私の住んでいる地域では見かけなかったのですが、面白い活動ですよね。
■参考:移動図書館『ひまわり号』いまむかし
https://www.lib.city.hino.tokyo.jp/hnolib_doc200801/library/imamukasi-bm.htm


そうそう、先ほど少し書いたのですが、図書館には、『図書館の自由に関する宣言』という張り紙がされているところもあるそうです。
作品中の日本では『図書館の自由に関する宣言』として図書館法に盛り込まれて明文化されて法律として施行されています。元々この宣言は、日本図書館協会が1954年に採択したものだそうです。この文章を原作者の有川浩さんが知って、想像拡大してこの作品が生まれたそうです。
■参考:図書館の自由に関する宣言 (日本図書館協会)
http://www.jla.or.jp/ziyuu.htm
■参考:日本図書館協会
http://www.jla.or.jp/



4.“予言書”について

第六話の攻防のきっかけになった“予言書”のモデルについても、紹介したいと思います。この“予言書”の書籍名は、“トランスファ・K505”でした。
このモデルの小説は、“図書館戦争”の小説が出た当初に、友人のSF読みさんから紹介されて知った作品(すみません、まだ読めてないです^^;)だったのですが、“図書館戦争”アニメ版では大胆にもこの作品をモデルにした“予言書”を出してきています。まさに、そのようないわくつきの本を巡る話が、この第六話でした。

郁  『翻訳小説でしたっけ?』
小牧 『アメリカの作家が書いたSFさ』
郁  『SF?』
小牧 『本が狩られる世界を描いているんだ。主人公は良化隊みたいな組織で、本を焼く仕事をしてる』
郁  『それって、まるで!』
小牧 『今の僕らの状況を予言しているみたいでしょ?60年も前に書かれた本が』
郁  『だから、予言書…』
小牧 『フランス人の監督が映画にもしてる。そっちも今は検閲されて見られないけどね』
【第六話 冒頭より】

ここで語られている作品のモデルは、“華氏451度”になります。
華氏451度”(原題:Fahrenheit 451)は、小説家レイ・ブラッドベリの作品であり、1953年発表のSF小説になります。
この作品の題名にもなっている華氏451度は、次の意味合いを持っています。

華氏451度は、本が自然発火する温度である。

日本で一般的に使われている摂氏単位系ですと、約233℃になります。

本を愛す人々にとって、“焚書”の危険性を感じ取れるという、かなり衝撃的な題名付けだと思います。“焚書”とは書物を燃やす行為のことを指しています。この言葉を成立させたのは、紀元前213年の中国王朝 秦の始皇帝による思想弾圧や愚民化政策による歴史的事実からです。その一方で、その当時から心ある人はその“焚書”の弾圧を逃れるために、書物を隠して抵抗していたそうです。

華氏451度の作品では、本の所持が全て禁止されており、情報の全てがテレビやラジオのみで送り出される社会を描いています。もし本の所有がが発覚した場合は、(本来の意味は消防士ですが)“ファイアマン”と呼ばれる機関によって全て焼却され、所有者も逮捕される社会でした。一見、何も不自由も問題もないユートピアのような社会が形成されていました。しかしその実際は、人々は一方的に与えられる情報のみを信じるのみで思考力を徐々に奪われていき、人々の営みの記録や歴史なども記録されることもなく記憶力も失われている問題ある社会でした。
後年、作者レイ・ブラッドベリは、焚書などによる言論弾圧情報統制よりも、テレビなどのマスメディアによる文化の破壊を描いたものだ、と語ったそうです。確かに納得できるのですが、読書家にとっては本を燃やすという焚書行為を国家体制が行っているのは、より印象強く脅威に思えますね^^;

このように、作中の予言書“トランスファ・K505”は、“華氏451度”をもじったのは確実ですね(^-^) さすがにそのまんま出すのはまずいかったのか、原著を匂わせるような、文字+数字ですし:-)


一方、映画作品である『華氏451』は、フランス人のフランソワ・トリュフォー監督の1966年の作品です。SF映画なのですが、この監督はロボットなど出てくるSF嫌いだそうで(笑)、人間ドラマのみに焦点を当てた作品のようですね。もちろん、この監督は書物を愛しているため、この作品には打ってつけだったとも言えます。
また、2008年の4月時点では、アメリカの映画監督フランク・ダラボンによってリメイクが計画されているそうです。この“図書館戦争”と同調しているようにも思えて、面白い動きですね。焚書というキーワードと、原著が本来危惧していたTVよりも発展したネットにも警鐘を与える作品になるのかもしれませんね。

小牧 『俺たちの社会は、政治的な駆け引きが複雑に絡み合って、こんなことになっちゃったけど。もしメディア良化法も図書館の自由法もない世界の人が見たら、さぞや不思議で滑稽に見えるだろうねぇ』
郁  『そうですね』
小牧 『悲しいかな、これが俺たちにとっての現実だ』
【第六話 前半より】

一方、「架空の世界で、私達の世界を想像する」という構図は、小説“高い城の男”を彷彿させますね。その小説で描かれた世界は、第二次世界大戦が連合国側が負け枢軸国側の勝利に終わった架空世界です。アメリカ合衆国東海岸側をナチスドイツが、西海岸側を日本が割譲し、中央部のみアメリカが存在しているというアメリカ人にとっては屈辱的な世界を取り扱った作品です。その世界のアメリカ人たちに流行っているのが、『こちらの世界の歴史通りに連合国側が勝利し枢軸国側が敗北した後の世界』を描いた小説でした。そして、ナチスの暗殺者がその小説の作家を探し出し殺そうとするという内容です。


このように、今回の第六話も、この構図を使っているのと、仮想世界で禁書扱いになっている書物が出てくる部分で、SF小説が分かる人なら二重にニヤリとさせられたのではないでしょうか(^^)
興味がありましたら、“華氏451度”、“高い城の男”も読んでみることをお勧めします。私は高い城の男が結構好きです。高い城の男に出てくる日本人像で、ちょっといちいち占いする部分は?と思うところもありますが(笑)、ナチよりも良い扱いはされています^^; 並行して走っていた複数の話が最後に交錯し、人の運命が決まる部分には感動しましたよ:-)

高い城の男 (1965年) (ハヤカワ・SF・シリーズ)

高い城の男 (1965年) (ハヤカワ・SF・シリーズ)


5.最後に、カミツレついて


最後に、舞台紹介とは直接関係ないのですが、個人的に一つだけ書きたいことがありましたので挙げておきます(^-^)
アニメ版では、オープニングの青空を背景にしたカミツレの花はとても映えますね、荒々しい戦闘が多い中で本の自由を追い求める郁の姿がオーバーラップして見えて清々しくてとても良いですね。私が一目で気に入ってしまった、好きなシーンの一つです。
このアニメ版のオープニングに出てきたり、階級章などのシンボルになっている花は、カミツレ(別名:カモミール)です。カミツレの花は、黄色い中心部と白色の花びらが特徴的ですね。
作品中では、カミツレは“日野の悪夢”で命を落とした、関東図書基地司令 稲嶺の妻が好んだ花という由来があり、図書隊を創設した稲峰の意向がシンボルになったと思われます。カミツレ花言葉は「苦難の中の力」、まさに逆風下の図書館や図書隊の苦闘を暗示しています。
今後の活躍と話の展開が見逃せませんね;-)



■(C) 有川浩アスキー・メディアワークス図書館戦争製作委員会
■写真提供&アドバイス:Miyaさん
■文章:Minkyこと、このブログの中の人