利休にたずねよ

利休にたずねよ

利休にたずねよ

PHP歴史街道に連載されていたものを加筆された作品。
最初は読んでなくて途中から読み始めたのだけどこれは凄いと毎回心待ちにしていた。ハードカバーは入手していたのだけど読みそびれていて、やっと読み終わった。

利休に関わった人たちの視点から茶における美というものが語られる。
利休はもちろんのこと、秀吉、家康、石田三成、利休の妻宗恩、…etc
茶の良し悪し全て、各人の価値観から語られる言葉はそれぞれが答えだろう。
逆の時系列での構成は切腹前の現在と過去を反芻して面白く、美を追い求めるきっかけの原体験は何だったのか引き込まれてしまった。
侘び寂びの中に生命力溢れる色があるというのが全てにおいて貫かれているな。

美を追い求めることとはまさに苛烈だよなぁ。
ここ最近、疑問に持ち考えていたことの答えの一つが見つかった思いだな。趣味におけることもそうだし、人生におけることも。
そうそう、直木賞受賞、おめでとうございます。