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子啼き爺の故郷@徳島県三好市山城町

旅行

福岡の実家に帰省する行程で少し遠回りしてみるかと、四国→南九州経由と今回旅行を組んでみました。
まずは、徳島県三好市山城町にやってきました。大歩危峡(おおぼけきょう)がある景勝地であり、近年新たにこちらが世界妖怪協会から“後世に遺したい怪遺産”に認定されました。妖怪の伝承好きの私としても是非とも訪れたい場所でした。
世界妖怪協会は、水木しげるさんと初めとする、妖怪に通じた漫画家、小説家などによって構成された団体です。怪遺産として認定された地域は、鳥取県境港市に続いて、こちらが二例目だそうです。


大歩危峡の吉野川ではラフティングが盛んで、この日も天気よく、急流の川面にはボートが浮かんでいましたよ。私もいつか乗ってみたいですね(^-^b


こちらが大歩危でも、妖怪伝承が多い藤川谷の入り口になります。どうしてこのような狭い地域に妖怪伝承が溢れているのか?と思えるほどに、様々な妖怪がマップに分布しています。藤川谷の周辺でも、狸の伝説や、あの世のイメージなのか閻魔の名前を関する地名も多いようです。


車で数分登ると、木彫りのモニュメントのようなものが? あまり情報を仕入れていなかったので、子啼き爺の石像があるだけかと思っていたので嬉しい驚きです:-)


山爺という妖怪について書かれていました。犠牲になった方々と犬たちは、“七人みさき”として葬られたそうです。同名の“七人みさき”という妖怪もいますね、七人一組で移動し、取り殺した魂を取り込むと、その人の分だけ入れ替わる伝説あります。京極夏彦さんの“巷説百物語”シリーズの中でも、格別に怖い妖怪伝承でしたね。作中でも高知付近の妖怪とありました。葬り方が一人歩きして妖怪伝承になったのでしょうか?


そして、もう少し車で登っていくと、目的の石像に辿りつきました。子啼き爺の像です!
設置されてまだ年数が経っていないので趣きがまだまだですが、周りは人影のない森林ですので、一人でいるとちょっと誰かに見られているような感じもしてきてゾクゾクしました(^^;


こちらは京極夏彦さんの書による説明です。徳島と高知の県境近くの山奥の一妖怪が日本全国でも屈指の知名度を持つようになったのは、やはり水木しげるさんの鬼太郎シリーズのレギュラーになったことが大きいようですね。口伝の妖怪話が、近代では漫画、アニメで伝えられ、地元に石像という形でフィードバックされたのは面白いですね。そして、その石像と伝承地を訪れる人が少なからず増えて、私のようにブログでネットに再発信、…妖怪って、人間によって生きているんだなぁと再確認できました(^^)


もう少し散策して帰ろうかと思ったら、石像の少し上に、家っぽい…あぁ、鬼太郎の家を再現してみたものがありましたw


少し上には公園があり、そちらには妖怪が溢れていました。しまった、子啼き爺の石像はおびき寄せの罠だったかw
こちらは、川の淵に住んでいた大蛇の伝承を表した木像です。ある家の娘のところに夜な夜な訪れる若い男の招待が大蛇で淵の主だったという伝承でした。木像やパネルは、地元の方々の手作りでした。地元でも石像を受け入れるだけでなく、他の伝承も紹介していて、地域ぐるみの活動なのが嬉しいですね。


こちらは、妖怪像ではなく、ここ藤川谷は名が示すように藤で有名で、藤蔓が特産だったことで、この藤娘の像があるそうです。


公園を少し上に登ると、…!? 昔ジャンプで連載していた“ついでにとんちんかん”の、ぬけさく先生ではありませんかっ!?w と一人でウケテイマシタw
と、冗談はさておき、こちらは、銭貸し妖怪だそうです。ひのきの枝をうまく利用した妖怪作品でした。


この先に集落があるのですが………、入れる気が全然ない、凶暴そうな“狗神”のパネルが(^_^; 「ようこそ」という文字は罠にしか見えませんw 小学生の卒業制作の作品のようで、かなりのハイセンスっぷりがGJですw

“狗神”は最近の作品ですと、“ぬらりひょんの孫”で、四国妖怪の強力な幹部として登場しましたね。


この先にはまだいろいろ伝承地があるのですが時間の関係上戻るかと、集落をぐるりと回って、先程のパネルに近づくと、裏面には!?
うはw 雲取り入道が、鉈の両刀使いで、さぁ無事に帰れるかな?とやる気満々で不敵な表情!
それに対して「気をつけてお帰り下さい。国道まで約2キロ」というメッセージ! 死ぬ気で走れってことですか?w いやぁ、こちらも小学生作品でなかなかの力作ですw


以下、畳んでおきます。
河童妖怪。こちらでは河童をエンコと呼ばれるそうです。日本全国でも河童の呼び方が異なりますし、各地の河童は違った容貌や習性があるそうですね。


雲取り入道。
伝説では、寝ている男が、ふと目覚め、自分の足に蜘蛛が糸を張っていたので気味が悪いなと、蜘蛛がいなくなっている時に糸をその柱に結びなおしてみたそうです。最後には入道が引っ張り小屋は淵に落ちたそうですが、男は難を逃れたそうです。


竜の化身乙姫。
山の頂上付近に池があるそうです。


もうこれで終わりかな?と思いつつ、川を見ると、…なんだろう?川の岩場の上に何かいる?


って、妖怪“川赤子”でした! こわw


道の駅大歩危になります。
こちらに妖怪屋敷という妖怪についての資料館が設置されています。


伝承地のちらしです。


怪遺産認定ということで、京極さんも映っているパネルです。


妖怪伝承の資料館の入り口です。この中はこの地域で伝わっている妖怪伝承について資料展示されていました。妖怪好きでしたら一見の価値はありますよ(^-^b この先だけは撮影禁止です。
それから、石の博物館も併設されていました。


妖怪のちらしで、この地域の妖怪の勢ぞろいです。四国ですので、狸の妖怪も多いですね。


妖怪画のイラストコンテストも行われているようでした。だからあのようなハイセンスな看板が描かれるんですね(笑)


「妖怪は自然の中に住むが、人間が営みを行っているところにしか妖怪はいない。」という、自然との共生が重要だと書かれています。京極さん、いい文章ですね(^-^b


山城町は山深く、昔は確かに人間の生活では、とても過酷な自然環境でしたし、危険な場所も多かったと思います。その過酷な自然環境から妖怪が生まれたり、危険な場所に近寄らないようにと子供に戒めるために妖怪が生まれてきたのだと思いました。東北の遠野も冷害も多く生きていく上で過酷な自然環境でしたので、一致する面もあり、妖怪伝承が多い一端を垣間見ることができたと思いました。
都会で暮らす人々によっては縁遠くなった自然環境ですが、妖怪を新たに知ることは、自然とも向き合うことになるのではないでしょうか。妖怪好き嫌いに関わらず、尋ねてみてください(^^)