風刺画問題

もう一つの日記で、この問題に書いたけど、うまく書き表せてなく他人には伝わりにくい文章と思っていた。そうこう思っているうちに、毎日新聞の記事の文章に感動した。
毎日新聞の姿勢を表した下記の引用文はとても美文だし、日本人としてありたい姿勢を表しているとも思う。

掲載した欧州諸国の新聞は「表現の自由」「言論の自由」を盾にとっています。しかし表現の自由は節度を伴わねばならず、言論の自由は良識の裏付けが必要だと判断するからです。預言者のターバンを導火線つき爆弾に見立てた風刺漫画は、節度も良識も欠いています。

キリスト教や仏教では、普遍的にある画像や彫像などによって、神や仏、預言者を視覚的に表現します。しかしイスラム教では画像を含む偶像の作成や崇拝を禁じています。偶像崇拝は「アラー(神)に仲間を認めることになる」との理由から、不信仰につながるとされ、神も預言者も姿を描いてはならないとされています。

 ムハンマドの風刺漫画はイスラム聖典コーラン」が禁じる偶像の作成であり、しかもテロリスト風に描くことでイスラム教徒の心を二重に傷つけると言えます。異教徒の宗教心を尊重することは、異文化の相互理解にとって必須と考えます。

それにしても、問題の発端になったデンマークの新聞は、二重基準を設けていたらしく、ますます批判の対象になるな。一方、風刺画を描いた漫画家は考えが足りなかったと素直に反省しているし、実際そうだったんだろう。非常に対照的で、ますます新聞社の姿勢が問われる。
また、諸外国で「表現の自由」や「言論の自由」を盾に掲載しようとして、経営陣にNoと言われて辞めている編集長が多いらしいが、どんどんこの際辞めてほしいものだ:-)
ただ、この問題がどんどん拡大していって、先日の反日デモ騒ぎのように政治にも利用されていってしまっているのが危惧を覚えるし悲しい。
http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/news/20060210k0000m030137000c.html
http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/news/20060210k0000e030023000c.html