:ポニョの舞台について


ポニョのモデルとなったと思われる鞆の浦のレポを書き上げました(^^)
http://d.hatena.ne.jp/rosseta/20080825/1220378569

実は、ポニョ舞台レポの作成のモチベーションがあがらなくて一ヶ月ほど暫定版で置いていたのは、実は理由があって・・・ 下記のニュース記事辺りを見るとわかるのだけど、鞆の浦での市道拡張とか橋建設、湾埋め立てなどの動きがあるそうです。私も既に、二ヶ月ほど前にポニョで鞆の浦に行こうと計画した際に、鞆の浦についていろいろ調べたわけですが、その時点でいくつかこれらの情報も知りえましたし、ポニョを通して観光地化するのを好ましく思っていない方のブログも拝見しました。いつも通りの紹介では拙いかもしれないな、と様子見をしていました。

「ポニョ」の舞台めぐり論争 瀬戸内の景勝地鞆の浦
2008.9.23 20:49

 瀬戸内海の景勝地、鞆(とも)の浦(広島県福山市)で、宮崎駿監督のアニメ映画「崖の上のポニョ」の舞台をめぐり、市と市民団体の間で“論争”が起きている。鞆の浦は宮崎監督が映画の構想を練った地で、公開中の作品の中でも現地を連想される風景や看板などが描かれている。このため、地元のNPO(民間非営利団体)などは「映画の舞台」として積極的な観光PRを展開。しかし、市は「(映画制作関係者が)鞆の浦が映画の舞台とは断言していない」と、映画を利用しての誘客には二の足を踏んでいる。

 宮崎監督は平成16年、制作会社スタジオジブリ(東京)の社員旅行で、知人に紹介された鞆の浦を初めて訪問。その際、江戸時代の雰囲気が残る町並みを気に入り、翌17年2月から約2カ月間にわたって一軒家を借りて滞在、町を歩きながら「崖の上のポニョ」の構想を練ったという。

 現在公開中の映画の中では「TOMO」という看板のスーパーマーケットが登場したり、船に掲げた幟(のぼり)に地元の神社の名前が記されるなど、鞆の浦をほうふつとさせる場面が多く登場する。

 映画を制作したジブリは「映画のモデルとなった場所を特定すればファンが殺到して迷惑をかける」として、「鞆の浦が舞台」とは断言していないが、現地の人々と宮崎監督との交流は続き、インターネット上などでは鞆の浦が映画の舞台とされるようになった。

http://sankei.jp.msn.com/life/trend/080923/trd0809232055016-n1.htm より引用

地元住民でも二通りの考え方があるようですね。昔からのままの鞆の浦を保持する考えと、住民の利便性のため建設を行う考えですね。

外部の私が口出しするのは避けたいのだけど、唯一言いたいのは、住民の方々で十分話し合い納得した上で受け入れや計画一部修正などを図ってほしいですね。市が決まったことだからとトップダウンで計画通りなのは後々わだかまりを残してしまうと思います。司馬遼太郎さんが紀行文などの中で、地域の歴史的な景観を保持するのは非常に大変なのだけど、全くなくしてしまうのは地域の歴史の断絶をすることだし、なくしたものは決して戻らないみたいなことを何度も書いていますね。 十分に話し合いをなさってほしいものです。


なので、ジブリサイドの動きや、ネットのアクセスの度合いを暫定版で試しながら、しばらく置いていました^^; 観光情報も併記した観光地紹介のような文章で。
このニュースが出回ったときに2chで私のブログURL貼られたりしていたみたいでアクセス増えて、うーんと思いましたが、それも過度的なことで今は特にいつもどおりのアクセスで偏ったアクセスは多くないですね(^^;

ジブリの対応は企業でも当然の対応だと思いますよ〜
マナー悪い観光客や舞台探訪する方もいるのは事実ですし、観光客自体が増えるといろいろと悪い面も出てきてしまうし、そのように言われるのは仕方ないです。まぁ、私もレポを書くことでその片棒を担ぐことになるのかもしれないのですが・・・、私はできるだけマナーについて啓蒙を図るように常々やっているのですが、それで十分なのかは難しいですね。この前、富山にて某作品の舞台を紹介しているブログを書いている方とこの辺りについて意見交換をしてみました。今のところの結論は、単にファンを煽るような内容や構成にせず、その舞台となった地元の文化や観光地、景観などの魅力も一緒に発信していく紹介がいいのではないかということでした。私もそう思います、形は違えと一つの観光だと思います。


ただ、今回気になる点が作品にあります。今までの作品のように舞台が特定できるんじゃなくて、日本の田舎の原風景としてエッセンスを描いていたわけです。だから、ポニョも日本の海辺の街として描けばいいのだけど、今回は色合いが少し違って、あえてあからさまに鞆の浦を意識して、作品上に出しているのに意味がありそうです。 そのため、監督の思惑は別にあるように思えますね。


多分、これは鞆の浦を愛した宮崎駿さんの考え合ってのことだと推測します。現地に行って地域の方といろいろ話してみると、本当に監督は地元に馴染んでいてよく地元の方と話をしているみたいなのですよ。その中で、景観を壊す計画があると聞いたのでしょうねぇ。
地域の建設計画などは結局のところ住んでいる住民さんらで話し合って自分たちで決める必要はあるんですよね。ただ、それもなく市の計画通りに進んでしまうのは・・・と危惧をしたので、ちゃんと考えた方がいいのではないですか?というメッセージのように思えました、それがお世話になった鞆の浦への監督のお礼なんではないかなと推測できます。ただ、明言してしまうと、公平性は欠くので、景観の素晴らしさを作品を通して気づかせるだけで、あとは地域住民の議論を待つように。
景観というのは、一般的に、なかなか維持が難しいし、住んでいる人は案外気づきにくいと思います。他にはない宝なのですが外部の人か観光客しかわからないというのは世界各地どこでも同じだと思います。
そもそも、鞆の浦って瀬戸内国立公園でも一番最初に指定されたほどのところなんですよ。
もちろん、地域の利便性も考えた上で、話し合って落としどころを決めないといけないと思います。日本にはそのような過程を踏まず台無しになった観光地が数知れずあります、そうなって欲しくなかったのでしょうね。


…ということで、今回のニュースは監督の思惑通りのような気がしますねぇ^^;
私個人的な感想では、鞆の浦がポニョ舞台だと「ジブリが言えない」のではなくて、「ジブリは言わない」、が的確のように思えます、もちろん推測なので正解なんて監督自身しかわかりませんね(^-^)


街並みも素敵ですよね。町屋を改造して喫茶店を開くのもかなり改修が大変だったとお聞きしました。この街並みを保つのはやはりいろいろ大変だと思います。でも、その店主さんはこの街の魅力をもっと知ってもらいたいし、きっかけはポニョという作品でも、鞆の浦を知ってたくさんの方に来て欲しいという気持ちを強く感じました。