村上春樹 「エルサレム賞」受賞スピーチ

ちょっと前に話題になっていたのだけど、ネットニュースで掲載されたので改めてもう一度読み直してみました。
http://www.47news.jp/47topics/e/93925.php
英語得意な方は、このリンクの一番下のリンク先原文を読むのがいいかも(^^)

もちろんイスラエルのTVではほぼカットです。でも、ブロガー達が全文掲載や翻訳したりと活躍したわけです。まさに壁と卵。


前文の小説家という存在の説明だけでも、目から鱗。シンプルな言葉で本質を簡潔に言い表しているよな。いつも拝見している女性漫画家さんブログでも賞賛していたな、自分の仕事ってまさにこの文章が表している!って。

こんばんは。わたしは今日、小説家として、つまり嘘を紡ぐプロという立場でエルサレムに来ました。
 

 もちろん、小説家だけが嘘をつくわけではありません。よく知られているように政治家も嘘をつきます。車のセールスマン、肉屋、大工のように、外交官や軍幹部らもそれぞれがそれぞれの嘘をつきます。しかし、小説家の嘘は他の人たちの嘘とは違います。小説家が嘘を言っても非道徳的と批判されることはありません。それどころか、その嘘が大きければ大きいほど、うまい嘘であればいっそう、一般市民や批評家からの称賛が大きくなります。なぜ、そうなのでしょうか?


 それに対する私の答えはこうです。すなわち、上手な嘘をつく、いってみれば、作り話を現実にすることによって、小説家は真実を暴き、新たな光でそれを照らすことができるのです。多くの場合、真実の本来の姿を把握し、正確に表現することは事実上不可能です。だからこそ、私たちは真実を隠れた場所からおびき出し、架空の場所へと運び、小説の形に置き換えるのです。しかしながら、これを成功させるには、私たちの中のどこに真実が存在するのかを明確にしなければなりません。このことは、よい嘘をでっち上げるのに必要な資質なのです。

そして、この後の繋がりが凄いよな…
やはり文章書きさんは凄いなぁ。

私のブログ名は、村上春樹さんの作品ねじまき鳥クロニクルから引用した好きな言葉なんだよなぁ。恥じないようにやらないといけないな(^^;