とくダネ!で1Q84ネタバレが酷かった…

1Q84 BOOK 11Q84 BOOK 2


朝の情報番組とくダネ!にて、村上春樹1Q84が売れているという特集がありました。
6月3日と、11日の二回ありました。


海辺のカフカが6年間で73万部だったのに対して、一方1Q84は四日間で既に75万部出ているとか、実際に書店を回って二巻はまだあるけど一巻は完売状態のレポがありましたね。
幅広い年齢層で読まれているとか、エルサレム賞受賞スピーチなどもありました。
スピーチは感動できる内容なので、是非一度内容を見てほしいですね。47ニュースで全文あります(^^)
■≪資料≫村上春樹エルサレム賞スピーチ全文(日本語訳)
http://www.47news.jp/47topics/e/93925.php


これだけならば、村上春樹ファンとして、非常に楽しめる特集だったのでしたが、二回ともネタバレで酷い思いしました(-_-;; 特に一度目は私も未読状態で、そのキーワードが不意打ちで急に言うので、耳に入ってしまいましたよ…orz 事前情報なし状態は読者のためと紹介しておきながら、村上春樹作品のヘビーリーダーでその特集を紹介していた大村キャスターがポロっと一言だけど内容に触れましたね、あれはNGワードだろうに。私自身、せっかくブログや書評を見ずに、まっさらな状態にしていたのに、無念過ぎる、うーん。


さらに、二回目は、独自の判断でネタバレではない(苦笑)と、大掛かりに内容を紹介していましたね。
これらは私だけの被害妄想かもしれないと、念のためネットで調べてみたり、村上春樹ファンのコミュニティで確認してみると、ネタバレで怒っている人は少なからずやはりいらっしゃいましたねぇ…、もちろんファンほど怒りの度合いが大きいです。



以降の文章にはネタバレを含んでいますので、読んでない人は見ないのが賢明だと思います(^_^;
以降、ネタバレのため閉じます。















(^^;





























1回目は、「カルト教団が関係している」と明言していました。
私はこれを聞いてしまい、のたうちました…(怒)


そして、2回目は、この画像のようにテロップを使って、懇切丁寧に(苦笑)説明していました(-_-;


もちろん、ネタバレの範囲ってのは、個人によって差があると思います。登場人物名や場所がわかるだけでもNGって人もいれば、あらすじまではOKで話の核心に触れなければと幅があると思います。
情報番組とはいえ、ネタバレの幅があるのも踏まえた上で、越えて良いかどうかの一線の慎重な判断が必要と思うんですよねぇ。 有名な作品の上での、有名税としても、どうして本を買った私達が払う事になるのか… 今回は話題になっている作品ということで1Q84でしたが、自分の好きな作品が同じようにされたら言語道断でしょう。
情報を紹介する番組という立場はわかるんだけど、一言「まだ読んでなく、内容に触れたくない方は云々」という言葉のような配慮も全くなしでした。


具体的にわかりやすく実際に1,2回目で話した内容を本の章立てで割り付けると、次のようになりました。1,2巻とも各々24章で構成されています。徐々に伏線のような文章はあるのですが、確定するのは次の章だと思います。
■■■1巻
●3章:青豆の裏家業は暗殺者
●4章:天吾がゴーストライターを引き受ける(ふかえり文章の手直し)
●7章:青豆のクライアントは富豪老婦人
●12章:農業団体から変貌したカルト宗教団体の存在
●19章:カルト教団には教祖がおり、青豆はその教祖の殺害依頼を受ける


■■■2巻
●4章:天吾と青豆は10歳まで同級生(天吾が青豆の名前を思い出す)
●11章:カルト教団教祖の人格
●19章:カルト教団教祖と娘の関係
●21章以降:天吾と青豆はムネキュンな展開


冒頭を少し触れたり、軽くあらすじを話すだったら、ネタバレじゃないと定義するならば、前者の冒頭のみってのは明らかにオーバーしていますね。軽くあらすじだけでもなく、この作品のコアにあたる事物も出しまくっています。最後の展開にも触れているしなぁ。
どちらにしても、ネタバレでアウトじゃないんですかねぇ?


それから、作品の詳細ごとに触れますね。
まず、青豆の裏の仕事は結構早めに出てくるのですが、天吾自身は元々職業としてゴーストライターをやっておらず、投稿作品の最初の分別のために読みをやっているだけでした。その天吾自身は逡巡していてすぐには出て来ずに、彼が悩み、原作者のふかえりや保護者に会ってから初めて決心することになりますね。
んで、天吾と青豆が10歳まで同級生なのは、二人の思い出の振り返りが少しずつ少しずつ出てきて、読者にもしかして?と思わせるところが妙味なのに、ったく(怒)


また、カルト教団が絡んでくるというのは、1回目の放送でネタバレしてくれたんだけど(怒)、さらに今回はカルト教団のリーダーやその人格についても言及。
農耕集団のさきがけから宗教団体になる流れの中で、作品中ではあえて教祖のようなリーダーの存在は顕在化せずに、1巻終盤になって老婦人から言及があったわけで、いきなり言うのはNG過ぎだよなぁ…


さらに、テロップ中の主要な四人の人物と、カルト教団のリーダーとは深い縁があるとかも言及していたし(最初に指差したのは、ふかえりだし!w)、最後には二つの物語がムネキュンな展開になるわけです、とかいらん説明をするし(苦笑) 最後には、恩着せがましく、この先は言えませんとか、何様なのだろう、アナタハ。
コメンテイターの発言の「ビックブラザー」や「リトルピープル」の発言はまだいいんだけどねぇ。小倉さんはこれはちょっと気になって、「ここまで言っても大丈夫なものなの?」とかは言ってくれていたけど、「大丈夫です」と太鼓判を押したコメンテイターもなんだかねぇ(^^;


なんかプレゼンターをやっていた、大村キャスターが、ヘビーリーダーとか自称していて、村上作品なら5、6回読んでいると言っていて、かなり、したり顔で説明していたのもむかついていました(苦笑)
ビーリーダーであっても、ファンではないんでしょうね。ファンならば、この辺りの機微はわかるはずなのですが、その機微が読み取れない人だと何度読んでも得られるわけがないでしょうね。どれだけ読んでいても、内容を気軽に言っていいかどうかわからない人にはわからないでしょうね。まさに天吾の父の言葉のような気がします。
「説明しなくてはそれがわからんというのは、つまりどれだけ説明してもわからんということだ」


そして、一番むかついたのは、この大村キャスターが、変なふかえりの真似をしたことです!
ふかえりの真似は、日本語覚えたての外国の方という感じで、全く違うし、なにがなんだか(^^;
全然似てないし、とても気持ち悪かったです(^m^;


それにしても、あの自己満足な解説を聞いて読みたいと思う人は皆無なはずなのに、「どうですか!!!(読みたくなりましたか?)」と番組参加者に話しかけていましたね。大村キャスターの自己満足げな雰囲気は…何もわかっちゃいない(^^;


あと、ご本人のブログにて、下記のような言及が…

「とくダネ!」で2回も村上春樹作品のヘビーリーダーぶりを披露させていただいて、僕の意外な造詣に驚く人がやたらいます。
このコラムでもずいぶん前に書いたけど、自慢じゃないけど村上春樹さんを語らせたらテレビに出る人のなかでは一番詳しいのでは?と自負してます。

【大村正樹のここだけの話。:第212話 えほんにやられました】


…はぁ、やれやれ。
情報発信番組とはいえ、もう少し視聴者の目線に立った判断での紹介を望みたいですね。ファンでない初見の方でも、読もうと思っている内容を削られることに怒っている人もいますし。
1回目の放送の後に、番組公式HPからネタバレについてもう少し配慮してもらえないか?と書き送ったのですが、二度目でますます酷くなり全く無駄でしたね、期待はしていませんでしたがw どなたの肝いりの紹介企画かわかりませんが、少なくとも大村氏は大嫌いになりました(苦笑)


とりあえず、かなり嫌な思いをしたので、それを塗りつぶすように、再度作品を読み直したいと思います:-)