ほしのふるまち



ほしのふるまちを公開初日に観てきました。
漫画原作で実写映画というと手を加えずただ原作を一通りなぞって実写化しましたという作品が少なからずですので、正直なところ出来にかなり不安でした。でも、それを覆すほどに想像以上に良かったです!


まず、原作の持ち味を抽出しながらも、後半の展開はオリジナルの展開を挿入して後半のクライマックスを加えることで物語の完成度高めていましたね。


確かにシナリオ自体はシンプルです。原作は紆余曲折するところがありますが、映画では“ほしのふるまち”ということで、“ほし”を中心に据えてあえて分かりやすく爽快さを出していますね。漫画原作では終盤に星の話が出てきますが、主人公の思いと繋がっていないように見えるため、私は終盤の星の話は疑問符でした。でも、映画では上手く有機的に繋がっていて昇華できていたように思えます。挿入歌もよいものばかりで心情的に掻き立てて、観客を引き込んでくれ良かったですね、4曲あったように思いましたが一作品にしては多いですよね〜



だから、ストーリーは単純な分、演技力や、話のテンポ良さや、盛り上げる場所をいくつも用意する仕組みをいれているのはしっかり考えられていますね。
男子高校生って基本は確かに興味ないことに関してはあのように愛想も何もないですね(笑)と、一方の興味あるときの言動や明るさの差がよく演じれていたように思いました。


周囲を固めている脇役も、単なる脇役ではなく個性を出して二人の周囲を固めていたのも良かったです。下宿先の祖父や親父はEDで顔出るまで誰かと思ってたw 基本的にこの作品は、母と息子や娘の物語としているように思えていて、その分男性陣は明確に顔が出てきません。 そのような意図もあって、主人公を除く男性陣はそれほどアップで顔を撮影していないのでしょうか。
それにしても、あの居候先の親父さんの怒り方とか、電話での激高とか、あとのフォローとか、私の親父殿にそっくりでびっくり(^◇^;) 私も昔はよく鉄拳にて叱られたものです(^_^;)



キーワードとしては、たくさんあります。東京からの都落ち、人生の袋小路、対照的な二つの地域:羨望の地東京と人を受け入れてくれる富山、親との衝突、幼い日の憧れ、それぞれの現実、そして最後にどう乗り越えるのかは……映画を見て体験して下さいね:-)

現在下記の映画館にて公開中です。是非見て下さい〜 映画の内容もさることながら、富山の、氷見の美しい風景も銀幕一面に見れます(^-^b
■映画オフィシャルページ
http://www.hoshi-full.com/index.html

* ■東京
* ☆シネマ・ロサ
TEL:03(3986)3713
 http://www.cinemarosa.net/

* ■大阪
* ☆敷島シネポップ
TEL:06(6641)3719
 http://hlo.tohotheater.jp/net/schedule/047/TNPI2000J01.do

* ■富山
* ☆TOHOシネマズ高岡
 TEL:0766(27)2400
 http://hlo.tohotheater.jp/net/schedule/054/TNPI2000J01.do
* ☆TOHOシネマズファボーレ富山
 TEL:076(466)1700
 http://hlo.tohotheater.jp/net/schedule/053/TNPI2000J01.do
* ☆富山シアター大都会
 TEL:076(451)8219
 http://www.daitokai.co.jp/


あと、ネタばれにならない範囲でおまけ感想w
それにしても、よく壊れる自転車でしたwし、tt10話の彷彿させる自転車ダッシュも良かったですね、あぁいうところで若さとスピードを出していましたね。基本的に動きの少ない作品なのでメリハリかな。
薮田バス停の海岸側はわんさかでてくるけど、逆のバス停は全く出ませんでしたねw原作ではそこそこ出てくるのですが、ビジュアルや象徴としても海際のバス停のみに絞ったのでしょうね。
それにしても、映画を観ていて、私がほぼ知ってる風景ばかりでこれはどこ?と思ったのは二箇所くらいでした、氷見在住ではありませんが何度も訪れていますので。やられた!と思った風景は、比美乃江大橋の一番美しい風景でした。あそこは確かに綺麗だよなぁ〜!


ラーメン屋は高岡駅南の“まるたや”さんでしたね!スープの黒さを作中で確認していたので、富山だろうとは思っていましたがエンディングロールを見ているとロケハン各所のうち名前がありました(^-^b
http://r.tabelog.com/toyama/A1604/A160401/16001850/
そうそう、冒頭の関東のシーンでは、あれって溝の口駅前にも思えたのですがどうなのでしょうか。


以降、ネタばれのためたたみたたみ










使









出なかったのは意外でした!


まず、栗田さんの件。栗田さんはもう少しキツメの雰囲気の配役でも良かったと思います。背の丈が少し低めだったので、一の瀬さんとの絵ではちょっと押しの弱いような違った印象を最初に受けました。一番最初のグラウンドでの会話は、脇役の女の子かと思えてしまった(^^; あそこは引きで見せなくてアップで見せるべきでしょうね。
そして、主人公の栗田さん扱いは確かにヒドイですね(^^; 確かに男子高校生の器量だと自分の事かもう一人で一杯一杯だから、フォローもなくあの展開なんだろうなぁ、若いときはそういうものだとも思えました。映画ではなく連続ドラマなどの尺だったらちゃんとしたフォロー入るでしょうが、映画で無理に入れると最後の締めがぼやけるでしょうね。


理科教師の件。担任と言う位置づけで出てきましたね。漫画原作では線の細い科学者風の先生でしたが、映画では実学に生きる体当たり理科教師でこう持ってきたかと驚きました。かといって、熱血で語る事もせず言葉少なに主人公に考えさせるキャラ付けだったのはGJでしたね。


よくしゃべるクラスメイトの件。原作ではそれっぽいキャラはいるけれど、ここまで狂言回しのように徹する動かすキャラは監督のアイディアでしょうか? 主人公と一の瀬だと会話が最初なかなかなくて話を作りにくいため、このクラスメイトを入れて引っ掻き回す事で物語が早く進む仕掛けになっていましたね。まるで化学反応を加速させるような触媒のような彼です:-) 彼にも幸あれ!


父親不在の件。最後の母親との対面のシーンのために尽きると思います。親の壁を乗り越えるために、あの静かな時間のためがかなり良かったです。
そして、主人公の母とおばさんとの「息子って大変だけど、可愛いのよね」と納得しあうシーンは映画独自でとてもうまい演出でしたね。これらがあるだけで大成功だったと思います。
漫画原作ではその辺りが曖昧になっていて、焦点がぼやけたようになってしまっているので、あの対面いや、対決のシーンは見所でしたね:-)