うちの師匠はしっぽがない第5,6話@大阪

■舞台を訪れる際の注意


舞台になった場所に行き、登場人物の言動に思いを馳せるのが醍醐味だと思います(^-^) でも、その場所は普通の生活地域になりますので、公序良俗に反しないように行動はくれぐれも慎んで、常識を持って楽しんでください。 特に、その場所で騒がない、壊さない、汚さないは守りましょう(^o^) よろしくお願いいたしますm(__)m 当ブログでの舞台探訪のポリシーはこちらになります。


 舞台探訪日:2022年11月11日

 

”うちの師匠はしっぽがない”は、大正時代の大阪を舞台にした作品です。当時の建物や風物がでてきます。それらの風景はほぼ現存していないのですが、アイキャッチではそこを遊び心を発揮していて面白いです。

まず、第1話、第2話のアイキャッチでは、前半を大正時代&アニメ絵、後半を現在&漫画原作絵で構成していました。そちらの記事はこちらになります。

rosseta.hatenablog.com

そして、今回は、第5話のアイキャッチでは中之島大阪市中央公会堂、第6話のアイキャッチでは大丸心斎橋店が出てきましたので探訪しました。

 

■第5話アイキャッチ前半

中之島大阪市中央公会堂が出てきます。中央公会堂は大正7年に竣工しました。作品の年代にもばっちり合いますね。

中央公会堂がある中之島公園は今でも緑がありますので、アイキャッチの雰囲気とも近しいところはありますね。

 

中央公会堂の随所にはとても凝った意匠のレリーフもあり、近寄って楽しむこともおススメします。

 

また、正面アーチの頂上には、二体の女神の神像が元々あったそうで、平成に再建されたそうです。ギリシャ・ローマの商神メルキュールと科学工芸平和を兼備するミネルバの神像があったそうですね。発展のためには西欧の神であろうとも勧請して発展しようという現実主義の大阪人ならではの心意気を感じますね!

 

■第5話アイキャッチ後半

音楽祭を鑑賞に行く瀟洒な装いの二人ですね。

中央公会堂は、夜間にライトアップされます。季節によってライトアップ時刻が異なりますが、冬季は18時からライトアップされていました。また、過去には中央公会堂の前面に投影する形でプロジェクションマッピングのイベントも開催されたことがありました。

 

ここからは中央公会堂についてもう少し。建物の南側にはこのような飲食店もありますし、建物に入れる入り口もあります。無料で入館できますのでお時間がある方は是非足を運んではいかがでしょうか?

建設当時のままの漆喰の壁や木製の階段手摺や椅子など、当時を偲ぶことができますね。こちらの建物では、著名な宥免人も講演をされたそうです。アインシュタイン氏、ヘレンケラー氏、ガガーリン氏らが来られたそうですね。

 

 

中央公会堂の資料スペースにも無料で入れます。17時で閉館かな?と思ったら、館内屋内施設の利用にも合わせて20時まで見る事が出来ました。

 

 

中央公会堂の建設のきっかけになった岩本栄之助さんの生涯について展示されています。こちらは岩本栄之助さんの寄付の領収書だそうです。おぉ、こういうのも展示されているとは!

 

当時日本にはなかった設計競技、今でいうコンペティションですね。こちらの設計について、東京駅を建築した辰野金吾さんが初めて実施したそうです。

なお、辰野金吾さんは東京駅を筆頭として、近代建築を多く手掛けられています。舞台が出てくる作品でも、この大阪市中央公会堂咲-Saki-でも扉絵に登場しています。他には、ゾンビランドサガでは出身地唐津の旧唐津銀行本店、よふかしのうたPVで武雄温泉楼門なども出ています。

 

大阪市中央公会堂が出来た後の七年後の大正14年には、”大”大阪時代と呼ばれる一番大阪が栄えた時期がやってきます。この時代で建築された近代建物は今でも北浜周辺に残っており、今後のアイキャッチで出てくるかもしれないですね。

 

■第6話アイキャッチ前半

大丸心斎橋店本館が出てきます。こちらの建物は、名建築家ウィリアム・メレル・ヴォーリズ氏が手掛けています。ヴォーリズ建築と言えば、聖地巡礼が好きな方ならすぐ思い浮かぶのが、”けいおん!”の旧豊郷小学校、また”空の境界”の神戸女学院もですね。

2019年改修時に創業当時の旧館パーツを利用して、一階の内装が復元されたそうです。まさに前半アイキャッチの雰囲気が今だからこそ楽しめるんですね。現代では化粧品売り場になっています。

 

一階の天井やエレベータホールなどがとても素晴らしい見事さです。もしヴォーリズ建築に興味ある方は5階の喫茶「サロン ド テ ヴォーリズ」でお茶をめしあがってはどうでしょうか。天井には、旧館のペンダントライトが吊されており、ヴォーリズ建築の写真を壁に展示されており楽しませてくれます。

 

■第6話アイキャッチ後半

後半アイキャッチでも荷物持ちをやらされていますねw 本館の御堂筋側の入り口から少し北に歩いた場所になります。

 

 

本館の御堂筋側は、ネオ・ゴシック様式の外壁タイルになっていて、視線を上にあげると凝ったレリーフなども楽しめます。東側の心斎橋商店街側の入り口の孔雀を見忘れました、是非見てほしいですね。

長年大阪に住んでいて、大正期の近代建築物はあまり興味がなくてしっかり見てこなかったのですが、この作品を通じてより深く知れて楽しめています。



■(C) アニメ:うちの師匠はしっぽがない

■本ブログでは作品風景の比較研究を目的として画像を引用しています

■文章:Minkyこと、このブログの中の人

■舞台探訪日:2022年11月11日

■履歴:

2022/11/13:作成、写真掲載