:純情きらり

主人公に対して何か不自然さをずっと感じていたのだけど、やっとわかった気がする。
まず、同じ日本であっても、常識というのものは、時代背景や社会体制によっていろいろ違うものだ。そのため、別の時代の常識を今の常識の物差しで単純に善悪を決めきれるわけではないし、決めるべきものでないだろう。例えば、戦国時代に裏切りや寝返りというのはよくあったのだけど、その時代の常識では、自分の勢力を守るためにはどのような手段を使っても許されるという価値観があったからこそであり、江戸時代以降の道徳による価値観とは別物と分けて考えないといけない。もちろん、裏切りも全部OKというわけでなくて、ギリギリの直前になってのものは流石にダメという価値観あったようで、関ヶ原合戦小早川秀秋の裏切りは当時の常識でもNGらしい(^^;
というわけで、この作品の主人公は、自分の気持ちに素直という描かれ方をしていると思うのだけど、私は何か言動に違和感を感じていた。戦時中という中での常識に対して、自分の気持ちをどう活かしていけるかと苦悶や苦闘している内面が何もないので、単なるおバカな少女に見えるんだよな。積極的にアクションすることで、事態を打開しようとしているんだけど、戦時中の慣習の中でありえないようなことが多いように思えるな。おそらく、現在の常識ベースで演出や脚本が書かれている部分に対して、私は違和感を感じたのだと思う。
少なくとも婚約者が兵隊に取られて、戦局が悪化しているのに、あんまり考えずに行動しているんだよねぇ(^^; 作品中、隣組の人たちが悪者のように描かれているんだけど、その時点でアウトだよな。話的にわかりやすくていいんだけど、同じくみんな苦しんでいるんだという共通認識の上で、主人公の頑張りを描くべきだと思うのだけど。ちょっと韓流ドラマの影響で、主人公の周りの逆境の描き方がわかりやすいように作るようになっているのかなぁ?