℃りけい。@福岡県北九州市若松区

■舞台を訪れる際の注意



舞台になった場所に行き、登場人物の言動に思いを馳せるのが醍醐味だと思います(^-^) でも、その場所は普通の生活地域になりますので、公序良俗に反しないように行動はくれぐれも慎んで、常識を持って楽しんでください。 特に、その場所で騒がない、壊さない、汚さないは守りましょう(^o^) よろしくお願いいたしますm(__)m
当ブログでの舞台探訪のポリシーはこちらになります。

℃りけい。 1 (ヤングジャンプコミックス・ウルトラ)℃りけい。 2 (ヤングジャンプコミックス・ウルトラ)℃りけい。 3 (ヤングジャンプコミックス・ウルトラ)
舞台探訪日:2011年12月31日


“℃りけい。”(どりけい)は、鞍川高校の物理部に所属するとっても個性的な女の子たちの日々を描いた作品です。女子高校というわけではないのだけど、ここ数年は男子ゼロで実質女子高のようになっているようです。
PC関係から機械工作まで幅広く活動を行っています。
こちらが物理部の面々です。新入生も入ってますます活気が出ています。
右から、副部長二年の曾野 彩、新入生の堀聖、部長二年の伊藤 トノエ、新入生の船橋 花織、二年の菊池 蘭です。

第一話は下記のオフィシャルサイトでお試し読みできますよ〜
■℃りけい。
http://ultra.shueisha.co.jp/serial/3/


私はこの作品を読んでいて、最近流行の女子高生の部活ものだけど、理系女の子に着目するのは面白いなぁと読み進めていました。お話自体も学校内の部室メインのお話なので舞台があるとは予想もしていなかったのですが・・・まぁ麻雀部でも軽音部でも先例はあるか(笑)
化学部部長の武者小路 真理さんの感情が出た時の台詞を見て驚きました。普段は京美人風の彼女なのですが…


「キサン」って、貴方をドスを利かせて言う独特の方言でして・・・あぁ私の地元の近辺に違いない!と驚き(笑) 上記の台詞でも「〜き?」というのは「しておいで?」という言い回しでこちらの人はよく言います、私も地元に帰るとこういう言葉になりますねぇ、いいなぁ。


あぁ、分かるなぁ、私も怒るとこのような地の言葉になりますね(笑) 方言再現はバッチリですw
ちなみに「いいき…ガタガタ言わんで風呂すましてこいち、いいよろうが?」は、「いいから…、いろいろ言わずに風呂入っておいでと、いっているでしょ?」のちょっと怒り成分が入ったニュアンスですねw 私も親からこういう言い回しで怒られたことありますねぇ(苦笑)

念のため確認してみると、原案・脚本の青木潤太朗先生のお住まいは、あぁやはり福岡ですかとニヤリと喜んだわけです:-)


上記のような方言が使われるのは北九州市筑豊地方です。それから、第一巻の#7“自作…?”での、堀聖ちゃんの休日の過ごし方で、彼女の家の近辺がだいたい確定しました。
組み立てPCのために部品を買い出しに出かけるお話があり、そこで渡船に乗るのです。福岡北部で渡船があるのは、関門海峡と若戸海峡しかありません。どちらも作中のように大きな橋があるのですが、足場が山に接していないので、若戸大橋のそばの市営渡船に確定しました〜♪
あと、第一巻の“放課後I”では堀聖ちゃんの列車通学のシーンが出てきて、“なかま”すなわち、中間駅の名前が出てきますので、学校は筑豊本線の沿線にあると想定されているのもわかりますね。

以上、舞台の特定の考察終わりです:-)
私も様々な作品の舞台の特定を行ってきましたが、方言から気づいたのはこの作品が初めてですね〜
あと、最新話では北九州空港も出てきましたね:-)




さて、年末の帰省のついでに舞台を訪れることにしました。戸畑駅から若戸大橋の足元まで歩き到着しました。手前の建物が渡船の乗り場です。背景にそびえる若戸大橋の姿は格好良いですね、私は橋好きでもあります(^-^b ちなみに、北九州市若松区戸畑区を結ぶ橋なので、若戸大橋といいます。その間の海峡は洞海湾です。


乗り場そばに早速作中の風景を見つけました。
物理部一年の堀聖(ほりひじり)です、愛称はホーリー。剣道部も掛け持ちしている体育会系でもありますが、PC組み立てが何より好きな女の子です。PCボードに萌える女の子はまた可愛いですね〜


渡船は対岸まで3分で移動する事ができます。渡船に乗るのは、かみちゅ尾道以来かな?
渡船の向きが異なるだけで、若戸大橋と船着場が映えている構図ですね。


対岸の若松区の風景です。真ん中に渡船乗り場がありますね。


では、早速乗ってみましょう。


大人百円なので安いですね。天気も良いので船上は気持ち良さそうですね。


#7“自作…?”の作中ではPC部品を買うために、渡船に乗って、市街地の電機街を訪れる描写になっています。
高校生の行動範囲では、博多までは費用的にも(片道1080円)行きにくいので、小倉辺りが想定地なのかなって思っていました。
乗り場を見ると、こちらは戸畑側なんですよねぇ。若松側に住んでいると思っていたのであれ?と思いましたが、ここは見た目優先なのかなぁ?
ここで金銭的にアプローチしてみます。まず若松から小倉に移動でJRを使う際には、若松駅からだと折尾駅を経由で片道630円です。一方、渡船を使った場合、渡船100円+戸畑駅〜小倉駅220円で合計320円です。お小遣いが限られている高校生だとやはり渡船の選択が賢いですね:-) まぁ仮説ですがw


さて、乗船します。私の他には3,4名でした。数分間隔で到着するので回転が速いので、本当に地域の足となっていましたね。


船内はこんな感じでデジタルTVもありました。作中のような座席はなかったので、別の渡船かもしれませんね。


対岸の若松側の渡船乗り場の建物です。


天気良く、快調に水面を進む渡船に見入ってしまいました。本当にあっという間に対岸についちゃうんですよ?



対岸には日本水産と看板がある歴史がありそうな重厚な建物が見えました。
こちらは後で調べてみると、現在はニッスイ日本水産だった昔本社の「日本水産戸畑ビル」だそうです。戸畑や若松の洞海湾付近にはレトロなビルが今も残っていて大変面白いです。


若松側の渡船乗り場の中です。


建物内には、昔の写真展示がありました。
こちらは若戸大橋を建設中で、道路がない状態ですね。昭和36年ですか。


歴代の渡船の写真でした。


天気も良く、若戸大橋が映えますね。


若松側はこのような海浜通りになっていました。左手奥に見える山は皿倉山でしょうね。


もう少し先に進むと木造の建物がありました。
こちらはその昔、筑豊地方で産出された石炭を船で運び、ここで荷揚げした場所だそうです。


筑豊遠賀川洞海湾は本来つながっていないのですが、江戸期に人工の川である堀川が造営されたそうです。当初は灌漑用水のためでしたが、石炭発掘が盛んになってくると運搬の水路として使われたそうですね。


洞海湾には最初カッパはいなかったそうですが、その堀川が出来て、遠賀川に棲んでいた河童が移動して棲むようになったのだという伝説があるそうです。そのような経緯で、若松にはゆるキャラが流行るだいぶ昔からカッパが地域のシンボルになっていました。
高塔山には河童封じ地蔵という史跡があるようです。今回は足を運べませんでしたが行ってみたいですね。





さて、次の探訪です。
第三巻のパン屋のお店を探しに商店街を歩き回ります。


この日は昨年の大晦日でしたので、商店街も年越しの品を買い求めるお客さんで賑わっていました。


こちらは若戸大橋の西側になります。


正月用のお餅の飾りつけのウラジロなどを売っている賑やかなところに行くと、そこは魚市場でした。



商店街のアーケードを4,5ヶ所巡ったのですが見つからず、諦めかけて駅の方向に歩いていくと、あれ?ホテルルートインの隣の道路のアーケードが似ているな?と思ったらビンゴでした。ちゃんと作中通りにパン屋もありました。
#20“寄り道…?”にて、菊池蘭ちゃんが学校帰りにパンを買い求めたお店です。

この探訪を行った際にはまだ三巻は発売されておりませんでしたので、ウルトラジャンプの最新号を手に回っておりました(汗


左手のアーケードの屋根の丸く透明の形状と、左足元のプランター、右手の角状のアーケードやその上の電線からも作中の場所はこちらだと思います。
こちらのパン屋は「パンの樹リトルベーカリー」さんでした。ちょうどお昼時だったこともあり、パンを買い求める近所のお客さんがわんさかきていましたね。
逆方向からのアングルです。作中の店舗のように、道路側に売り場は出ておりませんでしたが、作中の風景は確かにこちらですね。


というわけで、作中と同じようにパンにもちゃんとありつけました♪女の子なのにカロリーが高いパンを選ぶのはさすが実利を取る理系少女です。


同じようにカロリーが高そうなパンをセレクトっ!w

菊池蘭ちゃんは作中で自転車で馴染みのお店に行くのですが、なんとなく若松の北部の響灘側の方かなぁ?と思えました。今回は足がないのでまた次回の探訪で訪れてみたいですね。


追記3月7日:記事を公開したところ、@ryoch0114さんのリプや、ふぁ。さんのコメントを頂きまして、作中のお店シロウヤは、北九州市に店舗を構えるシロヤベーカリーだと判明いたしました。特に、@ryoch0114さんのリプ通りに、黒埼駅近くのシロヤベーカリー 藤田店だと思われます。藤田店以外は店舗形状が異なるので、確かに作中のお店と、シロヤ藤田店はそっくりで、店の左側にある電柱と道路標識はそのままですのでここでお店モデルは確定だと言えますね。情報ありがとうございました。
追記:3.30
3月11日に福岡に帰る用事があったので寄ってみました。JR黒崎駅から歩いて10分ほどのところにありました。


訪れたのは日曜の夕方だったのですが、お客さんがひっきりなしにパンを買い求めに訪れていて、地域の人気のお店なのだなぁと実感出来ました。


また、シロヤベーカリーはパンの値段もかなり手ごろな値段設定なので、作中のお店もその値段通りにお手ごろな値段ですね。
この中で、菊池蘭ちゃんはクリームが乗ったドーナッツのようなパンを選ぶわけですが、実際にあるそうですね。また機会を見つけて訪れたいと思います。

お店のある場所は八幡西区でして、前述の若松区戸畑区からも非常に近く、洞海湾の周囲の区の一つですね。きっと北九州市民だと一目瞭然だったと思うのですが、私は筑豊の出身なのでパン屋についてピンと来なかったです、参ったなぁ(笑)


パン屋さんの品揃えはこのような感じ。夕方だったのでかなり売れ筋のパンは完売していました。やはり特筆すべきは作中の値段付け同様に、かなりお手ごろな値段なのですねぇ〜私も幾つか購入して頂きましたよ(^-^b



菊池蘭ちゃんが食べていたパンはこちらのようです。私は購入できなかったのですが、NNMK2さんよりパンの画像を頂きましたので掲載いたします。ありがとうございます!


そして、こちらは若松駅です。若松には親戚もいましたし、子供の頃に海水浴で響灘側に何度も訪れていたのですが、こちらの駅は初めてです。


筑豊本線の北端の駅でもあります。


駅構内にはうどん店がありました。


名物の“かしわ”入りうどんです。℃りけい三巻の文化祭のときにも、“かしわ飯”が出てきましたね〜


さて、故郷へは筑豊本線を乗り継いで帰ります。懐かしい車体の色だなぁ。


筑豊本線の若松〜折尾間は電化しなかった区間なので気動車のままです。


一方、折尾駅以降は電化した区間ですので、第三巻の“放課後XⅢ”では堀聖ちゃんが通学シーンでは、折尾駅桂川駅での福北ゆたか線で使われているJR九州の817系電車が登場しています。座席が特徴的ですね。

私も若松〜折尾〜直方、そして平成筑豊鉄道と乗り継いで帰りました。
817系電車はすっごくお洒落で正直都会な電車だなーと気後れしてしまいました(笑)、いつもは日田彦山線なので〜(^^; そして、直方駅はすっかり前の面影がなくなった新駅舎でびっくりしました。青の橘花という作品の舞台探訪で直方を訪れたこともあったのでなおさらでしたね。
■ 青の橘花@福岡直方
http://d.hatena.ne.jp/rosseta/20090219/


最後におまけですが、鞍川高校の“鞍川”という地名は存在していません。けれど、その名前は筑豊地方の高校の名前を足したものだそうです。鞍川高校のイメージのモデルは、筑豊地方の三高校だそうでして…、地元の方だとニヤリとできると思いますw 私の出身の母校も実はモデルの一つに入っていると知って嬉しくなりました(^-^b 理系クラスだったので理系な女の子が確かにいたことはいたけど、ここまで個性的な女の子がいなかったのが残念ですね(^-^;
ただ、注意なのですが、実際に建物のモデルになった高校は存在しないそうですので、学校に行ったりしないようにご配慮お願いいたします。

●今後探したい風景

事前調査や、現地での足で稼いだ舞台探訪で見つけられなかった物件を幾つか紹介です。
℃りけい。では学内以外の話では積極的に風景を使用しているのですよねぇ。
それから、食べ物も幾つか変わったものが出ていますよね、放課後そのⅡロシア級の話に出てきた、ばんべいゆ(晩白柚)というみかんは北九州が特産ではないのですが、あの厚い皮は女の子には通常剥けない気がします(笑)


第二巻の#10前日…?にて、文化祭の回転すしなどの食材や昼食の調達のため、近所の商店街に買出しに来た話です。
商店街のアーケードの形状は若松の商店街ではなかった感じですが、まだよく分かりません。


商店街の中にあったスーパーです。雰囲気が特徴あるので地元では馴染みのスーパーのような気もしたのですが、うーん?


第三巻の#15旧友…?の冒頭に出てきたシーンです。伊藤 トノエちゃんが出ていますね。こちらもどこかにありそうなのですが、作中風景からは情報量ゼロ・・・うーん?


第三巻の#20寄り道…?に出てきた風景。菊池蘭ちゃんがパンを買い求めた後に訪れる場所。今考えると自転車で遠出するだけのエネルギーを補給するためにカロリーが高いパンを購入したのか、なるほど。
若松区にはこのような煙突が幾つか見えていました。ごみ焼却場はもっと北西だったのでそちらではないのかな?


同じく、#20寄り道…?の目的地のお菓子店。建物の書き込みから判断して、こちらはモデルのお店が存在してそうです。右端のノボリにある“リーユーパン”は北九州では馴染みのリョーユーパンですね。





■漫画:℃りけい。(C)青木潤太朗、わだぺん。
■本ブログでは作品風景の比較研究を目的として画像を引用しています
■文章:Minkyこと、このブログの中の人
■履歴:
2012/3/5:写真と文章を暫定掲載
2012/3/6:写真、文章を追記。化学部を科学部と書いていたので修正。化学部部長の真理さんに殺される・・・
2012/3/7:@ryoch0114さん、ふぁ。さんからご指摘を頂き、パン屋のモデルについて追記。情報提供ありがとうございました!また、見つけ切れていない物件について追記
2012/3/30:パン屋のモデルシロヤのお店の画像を追加。NNMK2さんから頂いたパン画像も追加。