個人的に知らない漫画や小説に出合うってのは大好きで、ちょっと店員さんのお勧めのモノがあったら覗いたり、表紙の絵で気になったりといろいろやっています。そしてwatarumiさんのところで知ったので、一気にAmazon発注。うーん、すごいや、久々に濃厚な飲み物を飲み干した気分(笑)
両親や祖母祖父達を『人食い』した妖怪ラー・ラム・デラルと、『不味い』ことで生き残ったチキタの奇妙な共同生活。不味い人間と百年間一緒に過ごすとこの世の思えない美味くなるというために始めたのだけど、徐々にチキタもラーも変わっていくのが見所。こう書くと単純にアットホームな雰囲気で妖怪が人の心を得るように思えるのだけど、実はどんどん人が死ぬし、人間の生と食べ物の生が両天秤にかけられたりと、シビア！ 人の生き死にの境界ってこんなに軽くていいのかとか、人食いだからこそ呪縛されたパラドックスなどと、軽いやり取りで重い内容を描いている、考えさせられる(^^; ちょっと隙間的に描かれていた内容がズバンと伏線だったり、全然看破できなかった！、特にラーの夢チャネルの妖怪二人の正体とか(^^; そして、ニッケルやクリップなどの同居者も増えるのだけど、いろいろな事件で離合を繰り返すな、永遠の離合もあるのだけど。国王さまの話は大掛かりだった割に得た内容が少なかったように思えて、ちょい個人的にはイマイチだったのだけど、その後、性悪女だっただけおパイエがすっごく昇華されてよかった、悪女に！:-) 人としての感覚が少しだけ違っただけで実は人間好きだったのが良かった、形はどうあれ。
うーん、個人的にはニッケルにまだまだ一緒にいて欲しかったのだけど、チキタの旅の行程ではもっと苛烈でシビアなはず、だからしょうがなかったなんだろうなぁ。それに、ニッケルは母や弟、そしてキサスに一緒に再び逢えて、素晴らしいところにいったのだから:-)
