渚のサーメイド@京都府与謝郡伊根町、舞鶴市

■舞台を訪れる際の注意


舞台になった場所に行き、登場人物の言動に思いを馳せるのが醍醐味だと思います(^-^) でも、その場所は普通の生活地域になりますので、公序良俗に反しないように行動はくれぐれも慎んで、常識を持って楽しんでください。 特に、その場所で騒がない、壊さない、汚さないは守りましょう(^o^) よろしくお願いいたしますm(__)m 当ブログでの舞台探訪のポリシーはこちらになります。


 舞台探訪日:2023年11月23、24日、2024年2月9日

 

 

渚のサーメイドは、海のそばの街を舞台とした思春期の高校生ワタルと、同居している人魚のこさめの絆を確かめ合う物語です。ワタルが子供の頃から既に少女の姿だったこさめ。そのため、古くから知っている幼馴染のようでもあり、親がいないワタルの保護者のようでもあり、でも、結婚する相手と決めていたのだけど、その適齢期になって意識しだして戸惑っている…青春ですね!
そうそう、こさめは通常は人間のような脚があり、水にぬれると下半身がサメタイプの人魚になってしまいます。人魚⇔人間の変化には特にペナルティがあるわけでないため、今のところ泡になって消えてしまう人魚姫のような悲恋の話ではないのでご安心を! 

 

■表紙の風景

 


この作品の舞台は、海の京都として有名な、伊根になります。天然の良港の伊根では漁業が盛んですが、海に山が迫っている狭い土地柄のため一階に船を格納し、二階が住居の舟屋というこの地方特有の建物が並んでおり、この地ならではの風景を見せてくれます。そのため、インバウンドによる外国人観光客もとても多いですね!舟屋に泊まれる宿泊施設も増えましたし、観光施設も景観に配慮しながら整備されています。

表紙&裏表紙の景観は、観光船乗り場、兼駐車場の場所からの舟屋の風景です。
ちょうど紅葉しており天気の良い日だったので空も山も海も、そして舟屋の街並みも綺麗でした。
なお、写真の左端の建物は、あとで紹介する造り酒屋のモデルの向井酒造さんの酒蔵になりますのでこちらは舟屋ではないですが趣深い木造の建物です。

 

■コミック1巻 内表紙

舟屋は民家のため立ち入ることはできないのですが、幾つかの舟屋では公開されています。この内表紙は、舟屋見学 幸洋丸の舟屋がモデルのようです。
こちらは見学料200円で自由に見学・撮影できますよ。

 


■信号機のある交差点

第一話二ページ目にある信号機のある交差点です。この地域では信号機のある交差点が一か所しかないため、場所は分かっていたのですが、いきなり何故か該当する建物や横向きの信号機がありません。次のカットの信号機の風景はありましたので、念入りに交差点の角ごとに風景を見比べてやっとわかりました。
この辺りは、写真奥の観光建物の建設に伴って周囲も変わったようでした。Googleストリートビューの2013年の風景だとまさにその通りでした!

 

第3話に出てくる交差点の風景です。
こちらは現在もほぼ同じ風景でした。こちらで合っているなと思ったので、上記を特定できました。

 

上の信号機の反対側の足元の道路です。

 

 

交差点のすぐそばの伊根浦公園からの眺めです。
伊根の港は、半島がぐるりと包んでいて南側が海のため、日本海の激しい波が直接入らず穏やかです。

 

第12話の駐車場。観光案内所の前なので、いつも車が多く駐車しています。平日の夕方でなんとかこちらを撮影。

 

12話で座っていたベンチ。ここからの眺めは最高なのですが、寂しい気持ちに打ちひしがれています。

12話の続きのシーン。重要なセリフのため消しています。
作中の風景はバス停の待合小屋が出来る前の風景をモデルにしたと思われます。

12話の上記の続きのシーンのため、交差点の街灯かなと撮影。

 

■街並み

第一話1ページ目に出てきた風景です。観光施設舟屋日和の手前付近です。
ここも意外と見つけるのに苦労しました。

 

■駄菓子屋

ワタルの幼馴染の美空かもめちゃんが店番をしている駄菓子屋です。交差点のすぐ近くです。左側の建物は観光協会が入っている観光施設に建て替わっているので作中とは一致しません。インバウンド効果で外国の観光客も増えていて、伊根も新しい建物や、舟屋を利用した宿泊施設が多く出来ています。

駄菓子屋のモデルの店内もまさに作中のままでした!お菓子や雑貨をメインに取り扱っており、釣り用に餌や網も売っているので作中の網もありましたよ。
お菓子を購入後にお店の方とも少しお話して、こちらのお店がモデルになっている事を伝えたところ、喜ばれておりました。店内は昭和の面影が残っている良さがあるので、観光客の方によく撮影しても良いか言われるそうですが、古い感じの店内の撮影は恥ずかしいと固辞されているそうなんで、私もしておりません。是非現地でお菓子などを買って肉眼で楽しまれてくださいね。

 

■造り酒屋

こちらは、伊根の造り酒屋の向井酒造さんの建物をモデルにしているようです。
造り酒屋のため木造の建物が存在感あって良い風景ですね。
右側の電柱を入れるとアングルがちょっと合わなかったな。

酒蔵の入口の正面です。

向井酒造さんの五葉松(かな?)が立派でした。
こちらの入口でお酒の即売もされているので、地酒に興味ある方は是非足を運んでみてはどうでしょうか?

一枚目の風景と逆の方向です。
11月の夕方に撮影したので、日が落ちるのが早くて撮影もあわてた覚えあります汗



■観光船乗り場

竜宮湾めぐりのりばのモデルは、伊根町の日出地区にある伊根湾めぐりの観光船乗り場です。おそらく建物が建て替わったので作中とは似ていませんが、右奥にあるクジラのモニュメントは同じなのでここで間違い無しです!
作中でも大賑わいのように、こちらは伊根観光の目玉の一つで、舟屋を海から眺めることができます。特にインバウンド効果もあり海外からの観光客がバスツアーでわんさかおられました。

 

その観光船乗り場の横を歩くこさめさん。美少女でメイド姿なので衆目を集めますね。
背景は、山際の駐車場の壁なので、この辺りでしょうか。木や草が足りない~

 

女に笑顔を振りまくこさめさん。
背景は同じく(略)

 

澄ました顔で今夜の夕食のメニューを考えていたのですね!
観光船乗り場横から北に見た風景です。

観光船乗り場の建物の横から海を見た風景です。

作中では、地元ネットワークで個人情報が駄々洩れですw 漫画家先生はこの後見事に囚われますねw

 

観光船のもう一つの売りは、ウミネコへの餌やりです。乗り場の売店かっぱえびせんを売っているので乗船前に買って楽しめます。ウミネコも慣れたもので、ずっと付いてきますね。かなりの接近戦になるので大迫力です。トンビも来るので気を付けて!

 


灯台

ワタルがまだ幼い時にこさめが出会ったシーンです。伊根湾の西側の亀島地域の南端近くにあります。奥に見える島は蛭子神社がある青島になります。

 

人外娘っぽく人に興味が無かったこさめも、段々とワタルと打ち解けあってくるのが分かるシーンですね。

 

そうそう、この日は時々小雨が降っていましたので、太陽が顔をのぞかせた特に、このような素晴らしい綺麗な虹を見ることが出来ました!


灯台の先の海辺

第8話の扉絵です。漫画家さんが人魚を方々探して見つからず、灯台からさらに先の伊根岬にて佇んでいますね。隅々まで探していたんでしょうね。

海際には岩もあるのでアングルは違うけれどこんな感じです。

■神社

こさめが思いにふける神社です。
伊根には何か社か神社があるのですが、作中の雰囲気に一番近い神社は、こちらの八坂神社でした。伊根湾めぐりの観光船乗り場近くに日出地域にあります。

 


社殿などは作中とは異なるのですが、海沿いの舟屋を正面に見る位置関係だとこちらかな。社殿は別の神社をモデルにしているのかもしれないですね。

 

舟屋がある道路側に決意が付いたのか跳ぶシーンです。
こちらの神社からは舟屋が見えて綺麗です。


■トンネル

伊根の舟屋から道の駅に向かうトンネルです。道の駅へと向かう車が多いのでご注意ください。
旅館への道は県道178号線ではなく、海沿いの新井崎街道を通ります。そちらは車もほとんど通らず、近道なのでバイクでも安心でしょうね。

舟屋の里公園にある道の駅の展望台からの眺めです。
第一巻のあとがきの風景はこちらになります。コミックスのあとがきと見比べてくださいね!

こちらの風景は、新井崎街道の途中の新井の棚田の風景だと推測します。
旅館に向かう海の沿いの道の途中として描写されていますので。

 

■旅館

旅館のモデルは、奥伊根温泉の油屋さんでした。星が付く高級旅館になります!

事前情報なしで訪れたので、駐車場に車を入れようとしたら、旅館の方がさっと現れて案内をしてくれたので、思わずたじろぎ、今日の宿泊ではないのですが、今後宿泊するための下見をさせてくださいと説明。わー、びっくりした!

 

作中のメイン舞台の伊根湾からバイクで移動する描写があったので、少し離れた位置にあるんだろうなと温泉を調べてこちらを特定できました。
伊根の舟屋から車で20分くらいのところにあります。



おまけ。
油屋本館はまだ宿泊できていないのですが、2024年2月に伊根舟屋のお宿に宿泊出来ました。宿泊して部屋に入って分かったのですが、こちらも油屋さんの系列の宿泊所でした。伊根の舟屋に幾つかのお宿を設けられているようです。

 

舟屋や古民家を和モダンに改装していて、一棟貸しのスタイルのようです。
私たちが宿泊したのは、陸側の母屋でして、一棟貸しから部屋貸しがありまして、部屋貸しのこちらの部屋で平日一人約八千円ほどでした。
なお、もちろん作品を体感するためにも舟屋に宿泊したかったのですが、、、平日でも3,4万円のオーダーだったので無念(^_^; インバウンド効果のため海外の方々が宿泊されていました。スタッフの方もインド系や中国系などと対応できるスキルの方を雇われているようです。

 

こちらのタオルのネームで気づきました、あぁ確かに舟屋を歩いていて、同じブランドの宿や喫茶店を見かけたな~と。

 

洗面台などもお洒落で、相方も大満足でした!
次は油屋本館に宿泊したいですね!

■参考:浦島神社

作中では伊根湾をモデルにして、竜宮湾と呼称しています。これは伊根町の北部の浦島神社を由来にしているのだと考えられます。こちらの神社は江戸期の浦島太郎伝説のベースになった言い伝えがあります。伊根の舟屋から北上した伊根町本庄浜の地域にあります。
大昔は、この神社のすぐそばまで海が迫っていたと神社の方に教えてもらえました。

絵馬にはカメに乗った浦島太郎の姿がありますね。

 


■参考:徐福伝説

また、中国の秦の始皇帝が不老長寿の霊薬を求めて派遣した徐福伝説も伊根町にあり、その由来を持つ神社もあります。
超自然的な存在で不老不死の人魚と、不老不死の霊薬とも何かつながっているようにも思えますね。

そういえば、徐福伝説がある地域を舞台にした作品も幾つかありますね。凪のあすからの舞台三重県熊野市の波田須や、ゾンビランドサガの佐賀県の金立山なども。


伊根町以外

ここからは、伊根町以外の場所の広域の紹介になります。
伊根町から距離があるのでご注意ください!


■過去の建物

第8話の過去の話に出てくる洋風の建物です。伊根付近にはありませんし、作中でも遠くまで移動して伊根にたどり着いた描写があるので、舞鶴市舞鶴赤れんがパークのこちらだと推測しました。建物の窓の形状や位置が同一なのでこちらかな。

 


■参考:八百比丘尼伝説@小浜市

渚のサーメイドで、日本海側の人魚伝説と言えば、八百比丘尼に繋がります。最後にはこの八尾比丘尼伝説のある小浜市にも足を伸ばしました。
八尾比丘尼とは、人魚の肉を食べて不老不死になった女性です。長く生きて知っている親類友人らにも先立たれ、尼になったそうです。最後には洞穴に入り入定したそうです。
こちらの洞穴は、小浜市の空印寺の境内にあります。

 

こちらが八尾比丘尼が入定したと伝わる洞穴です。
作中の漫画家の先生も人魚がきっかけで不老不死になったのですが、まだまだ元気なご様子ですね!

また、小浜市の海岸には人魚像もありますね。黒潮に乗ってジュゴンがきたのかも?という説も紹介ありました。


■舞台探訪中の場所

以下は、舞台を訪れても分からなかった場所になります。

■ワタルの自宅?

自宅前の風景が作中にかなり出ています。しかし、そのままモデルにした舟屋は伊根のすべての地域の舟屋を歩いて確認してもありませんでした。
そのため、おそらく幾つかの舟屋をイメージして作成されたのではないか?と推測しています。

ワタルとこさめが住む自宅は、自宅前の風景と自宅内が作中にかなり出ています。しかし、そのままモデルにした舟屋は伊根のすべての地域の舟屋を歩いて確認してもありませんでした。こちらが一番似ているのですが、細かい装飾や奥の家の構造が異なっていました。二階の張り出した小さな屋根が特徴的ですね。
そのため、おそらく幾つかの舟屋をイメージして作成されたのではないか?と推測しています。

 

■第9話扉絵?

第9話の扉絵の舟屋の隙間を背景としたこちらもここだ!と確定した場所が強く言えないのですが、伊根舟屋の全地域を歩いてみたところ、こちらが一番近いのではないかと今のところ推測しています。
舟屋の間に海と島か山の森が見え、足元の鉄格子をはめた溝があり、右の建物の奥に見える雨どい。ただ、右の建物の入口みたいのがありませんね汗

こちらは観光船乗り場の近くのよりみちサロンという建物のそばになります。

 



■(C) 漫画:渚のサーメイド テルヤ
■本ブログでは作品風景の比較研究を目的として画像を引用しています。
■撮影、文章:Minkyこと、このブログの中の人
■舞台探訪日:2023年11月23、24日、2024年2月9日
■履歴:
2023/11/23:作成、写真の簡易掲載
2024/2/11:写真や本文を追加。第12話の風景を追加。