もっけ #24 イソオンナ@千葉県南房総市

■舞台を訪れる際の注意


舞台になった場所に行き、登場人物の言動に思いを馳せるのが醍醐味だと思います(^-^) でも、その場所は普通の生活地域になりますので、公序良俗に反しないように行動はくれぐれも慎んで、常識を持って楽しんでください。 特に、その場所で騒がない、壊さない、汚さないは守りましょう(^o^) よろしくお願いいたしますm(__)m 当ブログでの舞台探訪のポリシーはこちらになります。


 舞台探訪日:2023年5月13日

 

千葉県南房総市 名倉海水浴場 勿怪が視える事で親族の冷たい扱いを受ける重い内容なのですが、静流ちゃんの成長が見え怪異と対峙するのが見どころ。あと、磯女さんがとてもH…略w

そのような作品内容なこともあり、この話の舞台は是非訪れたかったです! 単行本は2005年発売なので、約18年ぶりに叶いました(^^) 

 

なので、それまでに至る経緯も軽く触れますね。

まず、この舞台を当初探していたのは、2006~8年辺りになります。というのも、3巻の#15ウシロガミにて、岐阜県養老天命反転地(下記の記事、2007年に舞台探訪済)が出てきたため、もっけのメインの舞台である檜原姉妹が住むのは岐阜県辺りでは無いか?と想定したことから始まっています。そのため、#24イソオンナの舞台は岐阜県の南方向にある三重県沿岸ではないかとGoogleストリートビューで探し回ったモノです、、、その結果、何の成果も!!得られませんでした!!w

もっとも、この想定は、2008年当時に加入した”舞台探訪者コミュニティ(BTC)”という作品舞台を探す愛好者集まりのネットコミュニティにて、@QkyuQさんと知り合ったことで、もっけ3巻#13マジモノに出てきた近所の橋が栃木と教えてもらい、三重県説は消えましたw

rosseta.hatenablog.com

そのため、迷宮物件になっていたのですが、熊倉先生の新作つらねこにて舞台探訪ツイートをしていたところ、先生からコメントがありました。そして、この見つかっておらず残念に思っていますとお話したところ、千葉県の野島崎付近との情報を頂きました!ありがとうございます!

はい、このような幾星霜の万感の思いを持って、今回の舞台探訪をさせて頂きました。一方で、もっけの舞台探訪のうち、”観光地以外だと風景をアレンジされる”傾向があるためもしかして地域が分かっても特定困難ではないか?と懸念がありました。前述の@QkyuQさんの#13マジモノに出てきた近所の橋や川沿いの風景もアレンジされていましたので、むむむ。

 

まず、野島崎というのは、千葉県の房総半島の南端にさらに突き出た岬になります。この付近は火山活動や地下のプレート影響か、岩ばかりの変わった風景が続きます。そのため、砂浜はおおよそ4か所くらいしかありません。そのうち、民家近くで漁港もある砂浜は2か所だけさらに絞れ、作中の風景に合う場所は一か所の名倉海水浴場と絞り込めました。野島崎から東に車で4分ほどの場所にあります。

 

 

父親の実家の海辺の町です。名倉海水浴場の東側の石段になります。このシーンの前から過去の回想になります。檜原姉妹の事をこころよく思っていない従妹とその友達が出会う場所です。

 

従妹と別れて、海岸に佇む姉妹。とても寂しげです。この日は曇天なこともあり、重く圧し掛かるような雰囲気で作中ともマッチしていました。

写真では分かりづらいですが、奥の西側にも石段があります。左手奥には海岸線沿いに漁業関係者の建物や家々も見えます。

そして、作中の風景の右側の柱はありませんでしたが、右手前の石はありました。写真だと草に隠れていますが、小川をまたぐ石橋のように石がありますのでこちらだと思いました。



檜原姉妹がとても可哀想… 波打ち際を歩く姉妹です。

奥に東側の家々や漁業関係の建物があります。この後に出てくる防波堤は、砂が蓄積していて波打ち際が後退しており、作中ほどしっかり視認できるほど防波堤が見えづらいです。

 

そして、不運なことに、イソオンナに魅入られて、防波堤の先に誘われる瑞生ちゃん


イソオンナさんに魅入られた瑞生ちゃん、やばし! 幼い静流ちゃんの必死さもよいですね!

この防波堤のところは経年による砂蓄積のためか、波打ち際が後退していました。

ここまでが過去篇になります。

 

こちらからは成長した作品の現在の話になります。父親の実家では相変わらず居心地が悪く、帰る前にそれを気遣った父親と姉妹が会話を行うシーンです。

海岸に向かう前の交差点のような風景です。海沿いの道路で信号がある場所を全て調べたのですが、作中風景にそのままマッチする場所はありませんでした。その上で、アレンジを加えられているのではないか?という発想と、名倉海水浴場への近さを考えるとこちらの交差点がモデルでは無いかと推測に至りました。実際の風景では手前側の道路も車道になっていますが、右手奥が従妹とその友達が会った石段になりますので、作品内の位置関係とも近くイメージに近いですね。

 

いとこの友達と会った石段から少し西に作中ではまっすぐ降りる石段があります。舞台モデル地では構造は異なりますが降りる階段がありました。

父親と姉妹が並んで、海に向かって座るのとこの後の展開のための舞台イメージが必要になったため、アレンジされたのではないかと想像しました。

そして、作中の風景の右手奥にも建物があります。こちらは実際に存在しており、海水浴場向けのトイレでした。

 

父親と会話してると、瑞生ちゃんの様子が!? 構造は異なりますが降りる階段を上から俯瞰したシーンです。

 

 

成長した静流ちゃんはイソオンナと対峙します。

撮影した当日は晴天ではなく、曇天で空模様が怪しく雰囲気が出て良かったです。

イソオンナとの対峙のクライマックス!

対峙後の海岸シーンです。作中の木の大木のような岩のようなモノは、イソオンナの本体を暗示しているのでしょうか?

こちらそのものでは無かったのですが、古い防波堤のブロックが連なったモノがあり、こちらをモデルにされたのかな?とも思いました。

 

そうそう、この撮影をしている際に、親子三世代で来られていて、幼い娘さんが波打ち際で遊んでいると、祖母さんが波に攫われてはダメよ〜!と声をかけているのを偶然聴きました。作中の世界観にさらに没入、むむぅ。

 

瑞生ちゃんの意識が戻ってきたシーンです。良かったですね!

ここは階段の構造が異なるので、だいたいのイメージでの撮影になります。

そうそう、海岸線を撮影して分かったのですが、台風など大荒れの際には波がこちらまで押し寄せるリスクもあるので、東と西の石段は波に対して直角になっているんでしょうね。それに対して、こちらの梯子形状の階段はそのリスクを考えているようにも思えました。

 

 

最後のシーンのお母さんが迎えに来るシーンです。東側の石段付近から、ちょっと確度が足りないですが、こんなイメージでしょうか。お母さんにはかないませんものね!靴が濡れて叱られそうですw

 

 

また、十分に特定出来ていないのですが、ここかな?という箇所を1つ。もう一つは分からない風景です。

まず、24話の扉絵です。

こちらの扉絵は是非撮影したかったのですが、フラワーロードや海際の道も信号機がある箇所の場所を見つけ切らず。東は千倉まで実際に車で走って調査してみました。

もっけの主な舞台の栃木を回られた舞台探訪者QkyuQさんによると風景にアレンジを入れられる事もあるそうですので、この交差点かな?白い柵が無いのと、左側に家々があるのが合いません^_^

白い柵はこちらの交差点にありました。こちら単独でも風景が合いませんね!?

 

もう一つは冒頭の実家に向かうシーンです。進行方向が南側で、石橋の下を通る道路の風景です。こちらが、意外に見つかりませんでした。

野島崎に向かうには、大きく四つのルートがありまして、①「館山から国道410号線で南下し海岸線から東へ」、もしくは②「館山から山の中の県道86号線を南下」、同じく③「山の中を通る安房グリーンライン」、④「千倉からの国道410号線を海岸沿いに南下&西へ」になります。

③の安房グリーンラインを除いて全て車で通って確認したところ、この近隣では見つける事が出来ませんでした。安房グリーンラインGoogleストリートビューで確認したところ該当風景は見つからずでした、むむぅ。

 

最後に。

今回は、名倉海水浴場にて、作中のメインの風景に出会えて、まさにゾクゾクしました!本当に、作中の舞台に来ることで、同じ空間を共有しているようで、この趣味の本質的な満足が得られました。ありがとうございました!

また、野島崎の観光もかなり楽しめました!

 



■(C) 漫画:もっけ 熊倉隆敏

■本ブログでは作品風景の比較研究を目的として画像を引用しています。

■撮影、文章:Minkyこと、このブログの中の人

■舞台探訪日:2023年5月13日

■履歴:

2023/5/14:作成、写真の簡易掲載
2023/5/15:写真、文章の追記