逸話から始まる幅広い知的好奇心

ある夜、青砥藤綱(あおと・ふじつな)という武士が川に十文の銭を落とした。使いを走らせ、五十文の松明(たいまつ)を買って銭を拾った。「太平記」巻三十五の一節である
人が笑うと、青砥は言った。拾わねば十文の銭は川底に眠りつづける。自分は十文を取り戻し、商人は五十文を稼いだ。「六十の銭ひとつも失わず、あに天下の利にあらずや」、世の得になったではないか、と
回ってこそお金、流れることで世の中を潤し、おのが出費もやがては一滴の潤いとなってわが身に戻ってくる。
(C)読売新聞 3月10日付・編集手帳より引用

先日の鎌倉旅行を行なう前に、鎌倉歴史や観光を紹介しているサイトや、読み物を読んでいて、この逸話を知った。そうか、太平記に載っていたのか。
最近の出来事について、過去の事物や出来事、書物から引き合いに出せるというのは、知的に格好いいし、何より説得力あるよな。日本の古典名作も読みこなして、自分の血肉にしたいものだ。

http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20060309ig15.htm